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キーワード事典 | セキュリティに関するキーワードを解説

root化
英語表記:rooting

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Android OS搭載デバイスの管理者権限(root)を取得すること


一般的に、コンピューター用語でroot(ルート)とはLinuxなどのUnix系のOSにおける管理者権限のことを指し、WindowsのAdministrator(アドミニストレーター)に相当する。ユーザーとしては通常許可されていない、システムファイルへのアクセスや改変などを行うために、こうした権限を取得することをroot化と称する。root化することで、ユーザーは自らの思うようにデバイスを改変できるが、その一方でバグやセキュリティホールが出現するといったリスクも伴う。

なお、一般的にroot化という言葉が使われる場合、その対象デバイスはAndroid OSを搭載したものとなる。iOS搭載の場合、同義の言葉として脱獄(Jailbreak)が用いられることが多い。

root化が行われていた背景

スマートフォン(以下、スマホ)の黎明期、国内で最初にAndroid OS搭載のデバイスが発売された当時、その多くは1GB程度のメモリー容量で、複数のアプリを同時に利用するユーザーにとって十分とは言えなかった。加えて、プリインストールされたアプリがメモリーを占有していたことから、メモリー不足が常態化していた。また、当時のスマホではユーザーが求める機能が充実しておらず、デバイスのシステム的な制約を受けることも少なくなかった。

そうした背景もあり、Androidデバイスを快適に利用するためハッキングを行い、こうしたプリインストールされたアプリを削除して一定のメモリー領域を確保、あるいはシステムファイルを改変して機能拡張することが行われていた。しかし、近年のAndroidデバイスはメモリーが大容量化し、初期で利用可能なアプリ、機能も充実していることから、root化の必要性は薄れてきている。

root化のデメリット

多くのデバイスベンダーでは、root化されたデバイスは保証外としている。これは、root化がデバイスのセキュリティシステムに介入し、デバイスベンダーのセキュリティ基準から逸脱するためである。その結果、root化によって発生した問題は修理保証の対象外となる可能性が高い。

加えて、デバイスベンダーによるセキュリティアップデートやOSのアップデートを受けられなくなる可能性もあり、その結果として脆弱性が放置されてしまう、あるいはデバイス自体の破壊、不安定化につながりかねないなど、リスクが高まる行為ということをユーザーは認識しておく必要があるだろう。

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