消費者のサイバー犯罪に対する防御の甘さが浮き彫りに

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サイバー犯罪から身を守ることは、現代社会においては「リアル」な犯罪と同様に必須事項となっている。ところが、英国における実態調査が浮き彫りにしたのは、消費者の関心がまだまだ低いという現実だった。

この記事は、ESETが運営するマルウェアやセキュリティに関する情報サイト「Welivesecurity」の記事を翻訳したものである。

英国のセキュリティ情報サイト「ゲットセイフオンライン」(Get Safe Online)の新たな調査によれば、英国の消費者は、サイバー犯罪の脅威に対する防護が適切に行えずにいる。

同誌は、関連企業が警告を発しているにもかかわらず、43%の人々が異なるオンラインアカウントに対して、今なお同一のパスワードを使用していることを明らかにした。

同データによれば、消費者はウイルス対策ソフトを8.5カ月に1度しか更新していない。一方、ソーシャルメディアユーザーの4分の1以下はプライバシーポリシーを更新していない(しかもそのうちの58%はどのように設定すればいいのか知らない)。

英国の消費者の85%が過去12カ月にわたってオンライン上でいかなる危険も経験してはいないと述べているにもかかわらず、53%が詐欺メールの標的にされていると、同誌は記している。

加えて10%が、メールまたはソーシャルメディアアカウントからの侵害を受けており、一方で、3%がランサムウェアの被害に遭っている。

興味深いことに、英国のサイバー犯罪の被害者の3分の1は、攻撃されることに対して、自分自身には防御する力がないという意見を持っていた。

「3分の1以上の人々が、被害者にならないようにするためにできることが何もないと感じているという事実は、実に警告的です。特に、オンライン上で自分を守るのはそれほど難しくないというのに、です」と、ゲットセイフオンラインの編集長であるトニー・ニート(Tony Neate)氏はコメントした。

消費者の知識が極めて限られているのは明らかだった。回答者の25%がオンラインのリスクについて、あまり知識がないことを認めた。

詐欺とサイバー犯罪によって生じる財政上のコストも同調査では注目しており、英国は2015年と2016年の2年間で約1.4兆円(109億ポンド)も失ったという。

ロンドン警視庁の警視長であるクリス・グリーニー(Chris Greany)氏は、「サイバー犯罪による巨大な金銭的な損失は今や、英国内でのコミュニティーや暮らしの崩壊や生活の破壊といった、しばしば悲惨と見なされている人間の物語を凌駕する勢いです」と語る。

「われわれ全員が自分自身に対して、オンライン犯罪から身を守るためにできることを全て実践しているかどうか問う必要があります。不運なことに、人々は、迷惑メールのリンクはクリックするし、セキュリティソフトウェアのアップデートには失敗しています。ドアの鍵を締めずに出掛けないのと同様に、防護されていないままオンラインにアクセスすべきではありません」

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