英国がサイバーセキュリティの防護体制を強化

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サイバー犯罪は今や国家の重要インフラに脅威を与えるまでに進化を遂げている。そのため、各国では安全保障の重要な課題の一つとして捉えられるようになっており、実効力のある防護体制づくりを急速に進めている。以下はその中で、英国における動向を取り上げる。

この記事は、ESETが運営するマルウェアやセキュリティに関する情報サイト「Welivesecurity」の記事を翻訳したものである。

英国がサイバーセキュリティの防護体制を強化

英国議会は、サイバーセキュリティ国家戦略(2016~2021年)の一部として、サイバーセキュリティ防護の諮問機関を立ち上げた。

サイバーセキュリティの脅威は、「2015年国家サイバーセキュリティ」というレビューにおいて、英国が直面している安全保障の4つの課題のうちの1つと指摘された。

国家安全保障戦略の共同委員会は、国家のサイバーセキュリティ防護と、直面する各種の脅威の査定を任務としている。

国会議員を中心に構成されている同委員会には、2016年から2021年の間に約2,700億円(19億ポンド)もの予算が割り当てられている。

「インターネットは、意思疎通の仕方から、取引の仕方、そして政府が市民にサービスを提供する仕方に至るまで、われわれの日常生活を大きく変えた」と、国家安全保障戦略の共同委員会の委員長を務めるマーガレット・ベケット(Margaret Beckett)議員は述べている。

さらにベケット氏は、「国家安全保障の問題がサイバー空間にも押し寄せており、急速に懸念が高まっている」と付け加えた。

最近の数年間で英国政府は、最も重要な問題として、銀行や運輸のような国家的なインフラ組織の保護を挙げている。ベケット氏は「デジタル革命は数多くの新たな機会を生み出したが、他方では、新たな脆弱性をもつくり出した」と付け加えた。

人々がもっと日用品やインフラをデジタルソリューションに依存するようになり、そしてIoTが今以上に普及するのなら、サイバーセキュリティ防護の深化の必要性が高まるのは必至である。

英国の国家犯罪対策庁(NCA)はかつて、サイバー犯罪というグローバルな脅威に対抗するために、世界中のセキュリティ組織といかに緊密に連携をとっているか、その概略を示したことがある。

「クラウドセック・ロンドン 2015」というカンファレンスで、NCAのサイバー犯罪対策部門で戦略、連携、組織転換の責任者を務めるオリバー・ガワー(Oliver Gower)氏は、世界中の安全を脅かす者たちと戦うための集団的な戦略の必要性を強調したのである。

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