家族を守るための情報セキュリティ案内

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インターネットのセキュリティは誰か一人でも「穴」を開けているとそこに付け込まれるものである。特に家庭内のネットワークへの侵入は、家族のプライバシーや大切な資産を狙われるため、ダメージが大きくなる。家族全員一丸となってしっかりと守る上でのポイントをまとめてみた。

この記事は、ESETが運営するマルウェアやセキュリティに関する情報サイト「We Live Security」の記事を基に、日本向けの解説を加えて編集したものである。

家族を守るための情報セキュリティ案内

インターネットは常に進化しており、今日ではかつてよりさらに大きく、さらに改良されてきている。より魅力的で人々の関心に寄り添っている。そして、否定し難いことには、よりパワフルになっている。インターネットに接続されているデバイスの数が増えれば増えるほど(実際にはIoT〔「モノ」のインターネット化〕が進めば進むほど)、インターネットもまた以前に増して複雑化していく。インターネットというインフラは、物理的にもデジタル的にも、注視すべき何物かなのだ。

重要なのは、私たちがみな、常に変化し続けるテクノロジーの流れに合わせて、アップデートし続けることである。そうしなければ、最新のイノベーション(それは自分の生活にとてつもなくポジティブで驚異的なインパクトを与えてくれるかもしれない)を見逃してしまうだけでなく、サイバー攻撃に対して自分自身の脆弱性をさらしたままにしてしまうからである。

ましてや、Webを通してやってくる脅威の危険さや、それがもたらし得る損害は、Webの外で経験されるそれらと、全く同じものなのだ。ESETで作成したアニメーション「デジタル時代における子供の安全」で強調されているように、「現実世界に当てはまることは、オンラインにも当てはまる」のである。

現実世界では、定期的に掃除したり、ゴミを捨てたり、また電気製品の安全をチェックしたりして、自分の家の維持管理が行われているが、これと全く同じように、デジタル世界でもこれらの家事に対応する仕事を行うことが重要なのだ。

デジタル世界でのチェック作業は、自分のデバイスの性能が最大限に引き出されているか、デジタル機器がベストコンディションで維持されているか、散らかったデジタル世界がきれいに整えられているか、最も大切なことに、一切が防御されているか――こうしたことを確かめる機会になるはずだ。

以下のセキュリティ・チェックリストは、1カ月に1度、それが無理なら少なくとも四半期に1度くらい見直すのが理想である。そうすれば、親子そろって安心してデジタル機器に囲まれた生活を楽しむことができるだろう。

家族をインターネットの脅威から守るためのチェックリスト

1.オンラインの安全について家族で考え、実行する

子供たちに「モノ」を与えるのが早ければ早いほど、彼らがそれを「あって当たり前のもの」として受け入れるのが容易になる。それは家庭生活に不可欠な一部分となり、子供たちは、言い付けられた家事を当番だからと嫌々こなすのではなく、毎月それを自然に引き受けるようになるだろう。

さらに、どうしてオンライン・セキュリティは大事なのか、また何に用心しなければならないかを、子供たちが分かるように伝えるようにしよう。 みんながあれこれと良し悪しを気持ち良く話し合えるような環境を整えることもまた大事だ。そのためには親も、情報セキュリティやテクノロジーの世界で起きた最近の出来事に通じておく必要があり、それは有益なことである(当サイトの記事も役立つはずである)。

2.全てのデバイスが最新のソフトで動作しているか確かめる

今の時代、ソフトウェアのアップデートは頻繁に、速い回転でなされるが、それには二2つの理由がある。第一に、アプリケーションが常に最新の性能を備えているように改善するため、第二に、マルウェアのような数ある脅威からアプリを安全に守っておくためである。

この第二の点に関して、全ての努力はソフトウェアが最初から確実に防御されていることを目指しているとはいえ、脆弱性が存在することを忘れてはならない。そうした脆弱性は、セキュリティ研究者が発見することもあれば、不幸にもサイバー犯罪者が見つけることもある。定期的なアップデートを実行しなければ、ソフトのしかじかのバージョンで発見された弱点は、突かれるがままになってしまうのだ。

3.散らかったデジタルデータを整理整頓する

散らかったデジタルデータを整理整頓する

確かに、物理的世界での持ち物を目で見る方が、デジタル世界での所有物を想像するよりずっと簡単だ。現実世界で触れることのできる本や音楽や書類は、その数を数えることもできるし、それらの占める空間を見ることもできる。けれども、例えば自分のコンピューターの中にある、何千もの音楽トラック、フォルダ内フォルダ、ファイル、ファイル、ファイル……その全貌を知るのは、それほど簡単なことではない。

だがその多くは、ただの散らかったゴミかもしれない。もう使わないもの、持っている価値のないもの、重荷にさえなっているもの。しかもそれらは、デジタル世界のスペースを確実に食いつぶしている。だから、現実世界の所有物を新学期前の大掃除にかけるのと同じように、デジタル世界の余剰物も、ゴミに出したり、記録として整理したりして、「一掃」しなければならない。そうするとスッキリした気分になり、セキュリティ面でも良い状態になる。そして何よりも、サイバー犯罪者たちの付け入る隙がなくなるのだ。

4.パスワードを工夫する

テクノロジーを中心に回り、何もかもが接続されている現代世界、私たちがオンライン上で暮らし、息をする、そういう世界にあっても、私たちは依然として、自分たちのパーソナルな生活や職業生活に至るゲートウェイの防御を確実にするため、四苦八苦している。例えば、きちんと仕事をして、行きたくない場所へのアクセスを拒否する人がいる一方で、安易なパスワードで済ませるのが好きな人もまだいる。

繰り返して言うが、小さいころから適切なパスワードを選ぶ習慣を身に付けるよう親が仕向けておけば、子供たちは大人になっても、きっとこの習慣を続けるに違いない。それはただのルーティンになるのだ。本当にまだ小さな子供には、パスワードづくりを面白い遊びにしてしまうのがいい。アルファベットや数字をランダムに並べていくのは、とても楽しかろう。

5.散らかったデジタルデータを整理整頓する

散らかったデジタルデータを整理整頓する

金もうけ目当てのサイバー犯罪者たちは、パーソナルなデバイスが、個人情報を盗み出せる宝の山であるだけではなく、疑うことを知らない初心者から金銭をだまし取るための足掛かりでもあるという事実に注目してきた。そのため近年の主なトレンドがランサムウェアであるのも、十分納得できる。

このタイプのマルウェアは、実行されるとデバイスやデータへのアクセスを事実上不可能にしてしまう。それらは暗号化され、バーチャルな意味で接近不可能になる。そこで何ができるかと言えば、安易に身代金を支払うことになってしまう。しかし、身代金を支払ったとしても自分のデバイスやファイルへまたアクセスできるという保証はないし、もっと言えばそれはお勧めできない。身代金の支払いは、悪しき前例をつくってしまう。定期的にデータのバックアップを取っておきさえすれば、仮に自分がそんな不幸な状況に陥ったとしても、自分にはコピーがあると安心できる。

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