この記事は、ESETが運営するマルウェアやセキュリティに関する情報サイト
「We Live Security」の記事を基に、日本向けの解説を加えて編集したものです。
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本店と支店との社内ビデオ会議や大容量データの受け渡しなどにおいて、拠点間での通信をより安全に行いたい場合、インターネットをそのまま使うのは極めて危険です。とはいっても、独自の専用回線を持つには、コストの面でなかなか手を出しにくいことでしょう。そこで、まるで専用回線を使っているかのように拠点間を結び、利便性や安全性を確保しながらコストが抑えられる仕組みまたはサービスが考え出されました。それがVPNです。
初めてのVPN
VPNは「バーチャル・プライベート・ネットワーク」の英語を略したもので、オンラインのプライバシーを保護するのに役立つツールです。
以下では、初めての方がVPNのことを理解し、最適なVPNを選ぶ手助けとなる内容を提供します。なお、VPNにも各種ありますが、ここではインターネット内で構築するものに焦点を当てて説明しています。
![VPNを使ってみたいのですが、実は何も分かっていません。](/files/user/malware_info/images/qa/151203/images/01.jpg)
VPNとは
VPNは公共ネットワーク(インターネットまたは業者の広域IP通信網)を使いながらリモートのユーザー同士をイントラネットのようにつなぎます。
データが暗号化されているため、第三者に傍受されることなく、公共ネットワークを通じて複数の拠点間で安全に情報をやりとりできます。
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なぜVPNが必要か?
企業においてVPNは、オフィスでスタッフがファイルやプリンタに安全にアクセスするために使われます。
個人の場合ならば、閲覧履歴を残すことなく外出先から自宅のネットワークに接続したり、普通ならばプロバイダーにブロックされる他国のコンテンツにアクセスするためにも使われます。
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良いVPNの条件
さまざまなVPNの中から選ぶ際には、どのような機能が使えるのか、どこにサーバーが設置されているのか、どのような接続プロトコルが使えるのか、そしてどのくらいのコストがかかるのかなどを比較検討してみましょう。
気軽に利用できるVPNもあれば、地域制限を受けずに利用したい企業向けのVPNもあります。またプライバシーにはあまり配慮されていないものの、コンテンツをダウンロードするのに最適なものもあります。
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有料か無料か
VPNは、有料のものを選ぶのか、無料のものを選ぶかによって、大きな違いが出ます。
無料で提供されるVPNの場合、多くの場合、帯域幅の制限があります。プロバイダーによってデータ容量が制限されるため、回線速度が遅いこともあります。さらには、セキュリティプロトコルの選択が限られており、しかも、無料であるため個人情報や閲覧履歴の保護を保証してくれません。また広告が表示されて邪魔に感じることもあるでしょう。
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確かに無料のVPNは経費削減につながり、コスト面から見るととても魅力的です。しかし、さまざまな制約もあることに注意してください。
以上、VPNについて簡単に説明しました。安全なネットワークを構築する一助となれば幸いです。