子どものアプリ利用を制限するTikTokの「ファミリーペアリング」とは?

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10代の若者に特に人気のあるTikTok。子どもたちのアプリ利用を保護者がきめ細かく管理できる機能について紹介する。

この記事は、ESETが運営するマルウェアやセキュリティに関する情報サイト「Welivesecurity」の記事を翻訳したものである。

子どものアプリ利用を制限するTikTokの「ファミリーペアリング」とは?

以前の記事ではTikTokのセキュリティやプライバシー設定を使い、ユーザーが自身を保護する方法について紹介した。しかし、大人のユーザーのみならず、このアプリは中高生、あるいは小学生を中心とした若い世代で人気を集めている。保護者は、子どもたちがどのようにアプリを使っているか心配だろう。一定の年齢に達するまで見るべきではない怪しいコンテンツや、いかがわしいアカウントに触れる危険性があるからだ。

そのため、TikTokは2020年初頭に「ファミリーペアリング」と呼ばれる機能を導入した。以前から保護者は子どものアプリ利用に制限をかけることができたが、子どものスマートフォン(以下、スマホ)を直接操作する必要があった。新しい機能は、保護者が監視や制限をかけやすくなり、利便性が向上している。(※2021年1月現在、日本では未実装)

ファミリーペアリングの機能とは?

ファミリーペアリングの設定はいたってシンプルだ。「プロフィール」をタップした後、「・・・(三点アイコン)」を選択すると、「設定とプライバシー」が表示される。画面下部に進むと、ファミリーペアリング機能が見つかるはずだ。これをタップすると、保護者向けの設定か、子ども向けの設定かを選択できる。

図1 – ファミリーペアリングの選択画面

図1 – ファミリーペアリングの選択画面

子ども向けの機能は限られている。アプリの制御を許可するため、保護者のアプリからQRコードを読み込む機能のみだ。一方、保護者はアプリを管理し、特定の機能を制限したり、許可したりできるようになる。

図2 – 子ども用の画面 

図2 – 子ども用の画面 

図3 - 保護者用の画面

図3 - 保護者用の画面

「時間管理」機能を使えば、子どもがアプリを使用する時間について保護者が制限をかけられる。この機能は極めて便利だ。SNSを眺める、ゲームで遊ぶ、暮らしのありとあらゆることをシェアするなど、子どもたちはスマホで膨大な時間を過ごしているからだ。

図4 - ファミリーペアリングの設定画面

図4 - ファミリーペアリングの設定画面

次に、保護者が注意すべきなのは、コンテンツ自体だ。TikTokに表示される内容は、すべてが子どもに適したものというわけではない。家族で使えるようにするために、新しい機能として保護者は「制限モード」を利用できるようになった。この機能を使えば、アプリが設定した「すべてのユーザーに適したものではない可能性があるコンテンツ」を非表示にできる。例えば、成人向けコンテンツなどが含まれる。「時間管理」「制限モード」のいずれも、「デジタル・ウェルビーイング」のメニューから設定可能だ。

保護者が利用できる三つ目の機能は、子どもたちのダイレクトメッセージ利用を制限できる機能だ。特定のユーザーが子どもたちにメッセージを送るのを制限したり、メッセージをすべて停止したりする機能だ。すでにTikTokではダイレクトメッセージを通して不適切な画像や動画を送ることができなくなっている。加えて、2020年初頭からは16歳以下のユーザーに対するダイレクトメッセージが自動的にオフになっている。

おわりに

このような管理は、子どもたちのプライバシーを侵害していると考える人もいるかもしれない。しかしZ世代(※一般的には1990年代後期に生まれた世代とされる)は、現代のデジタル社会と共に育ってきた初めての世代であり、彼らは両親や祖父母が直面してきたものとは異なる、さまざまなリスクを抱えている。子どもたちにスマホを与えて終わりではなく、ちょっとしたアドバイスをしたり、ゆっくりとソーシャルメディアに慣れさせたりする方が望ましい。そうすることで、子どもたちはソーシャルメディアのリスクについて学び、責任ある自立したインターネットユーザーとして成長していけるだろう。

TikTokのセキュリティとプライバシー設定について子どもにアドバイスするなら、前回の記事が参考になる。

子どもたちがオンラインで直面する危険や、テクノロジー以外で役立つ手段について知りたいときは、「Safer Kids Online」を活用してほしい。

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