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「もしもの時」の個人情報管理法

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人生、突然何が起こるか分からない。そして、実際に「もしも」のことが起こったときに困るのは、残された家族である。印鑑や通帳などは部屋中隅々まで探せば見つかるかもしれないが、セキュリティが施された電子機器やオンラインバンキングのパスワードは、いったいどうしたらいいのだろうか。

この記事は、ESETが運営するマルウェアやセキュリティに関する情報サイト「Welivesecurity」の記事を翻訳したものである。

「もしもの時」の個人情報管理法

想像してみてほしい。電子機器のセキュリティが完璧で、アカウントや個人情報に本人以外誰一人としてアクセスできないとして、例えば当人が事故に巻き込まれてしまうといった、思ってもみないことが起こった場合のことを……。この場合、残された家族はどうやってセキュリティ対策を回避して、死亡した人のデータやアカウントにアクセスすればいいのだろうか。

貴重な情報を守ろうとあらゆる対策を行っておきながら、「もしもの時」には家族にそれを手に入れられるように措置を講じるというのは、非常に矛盾している。自分の個人情報の管理を他人に勧めてしまっては、それが一時的であれ永続的であれ、サイバーセキュリティの鉄則からは大きく道を踏み外しているように思える。だが現実には、信頼できる他者、すなわち家族のような委託者に許可を出す最良の道は、安全性を高めようとして使った技術を少しばかり変更することにある。

リスクアセスメント

リスクアセスメント

心の中にしまっていたり、どこかに書き留めていたり、誰もが自分の利用している機器やアプリ、サービスについての秘密のリストを持っていることだろう。このリストは「もしもの時」に大変重要になってくる。そのため、まず、このリストにメールアカウントはもちろん、オンラインバンキング、クラウドサービスなど「全て」が含まれているかどうか、あらためて確認しておきたい。

認証

こうした「資産」リストを手にしたら、続いて、緊急連絡先を選択してもらいたい。この人物は、自分のデジタル資産の全てを託すに値する人で、家族や友人、あるいは弁護士のような専門家が候補に挙がる。

もしすでに遺言の用意をしているなら、自分の資産を確認し管理する執行人をすでに選定していることだろう。幾つかのオンラインサービス(GoogleFacebook、そしてInstagramなど)は、緊急連絡先を設定できるようにしているので、そうした代理人の連絡先を入力しておく。多くのパスワード管理アプリケーションも、緊急連絡先の設定を可能にしている(これは、紛失したマスターパスワードをリセットするような場合にも役に立つ)。

バックアップ

バックアップ<

バックアップは、実行する上で少し注意が必要だ。そのためセキュリティ上の不注意を回避するようにしよう。ユーザー名とパスワードのリストを作成し、2要素認証を使えるアカウントは「バックアップコード」(=IDとパスワードとは別に作成される暗証番号)を作成しておきたい。

このリストを保護するために、幾つかできることがある。コピーを紙かリムーバブルメディアに残し、鍵をしてどこか、耐火金庫やセーフティボックスのような場所にしまっておこう。弁護士に託すこともできるし、「終末期計画サービス」などと契約することもできる。

弁護士事務所や企業は、ビジネスを畳む可能性もあることを心に留めておこう。そこで追加的な形のバックアップが欲しくなるだろう。もちろんセキュリティについても尋ねておこう。本来非常に注意を払うべき個人情報を一度に失うことは必然的に大きな苦痛を伴い、修復が難しい。

もしデジタル認証情報のデジタルコピーを持っているなら、暗号化しておこう。公開鍵暗号は、この場合、当然の選択である。期限切れには注意する必要もある。そして、長い期間にわたると、ストレージメディアが劣化することも心に留めておこう。そこで5年、あるいは10年ごとに新たなディスクに移動させるべきである。

準備のための予防訓練

誰もが火災訓練、あるいはほかの防災訓練に参加したことがあるはずである。そうした予防訓練は、感情が高ぶったときにも、素早く落ち着いて行動できるようにする。

同じように家族も時折訓練に参加し、前もって準備をしてもらっておくことは、「もしもの時」でも重要なデジタル情報の管理の大切さを低減してくれるはずである。

「もしもの時」を話題にするのは、決して楽しいものではない。ほとんどの人が老境に入るまでは考えないようにしているものだ。だが、事故が起こったときには、遺族に掛かるストレスは途方もないものになり得ることは、重々承知しておくべきである。たとえデジタル個人情報のセキュリティを除いたとしても、そうなのだ。わずかな時間を使って最悪の事態に備えることによって、私たちは自分の家族と友人を余計な負担を背負うことから救い出せるのである。

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