ユーザーのブラウザーやデバイスの特徴を組み合わせた一意の識別子
ブラウザーフィンガープリントは、インターネットを閲覧する際に利用する、個々のWebブラウザーを判別するために用いられる技術のこと。「フィンガープリント(Fingerprint)」とは、人間の指紋のことであるが、転じて個々のユーザーを判別する情報を表すようになった。
判別のために、閲覧ユーザーのWebブラウザーやデバイスの情報を参照し、固有の識別子を生成する。ブラウザーフィンガープリントの生成要素として、利用OSやブラウザーを判別する文字列であるユーザーエージェント、画面解像度、インストールされているフォント、プラグインの有無、タイムゾーンなどの情報が用いられる。これら要素の組み合わせが完全に一致する可能性は非常に低いという前提のもと、個々のユーザーを判別するために利用されるようになった。
ブラウザーフィンガープリントの使用目的
EUにおけるGDPRなどの影響もあり、近年のインターネットではCookieに対する規制が強化される傾向にある。そのため、Cookieを用いずにユーザーを判別する技術として、ブラウザーフィンガープリントの活用に注目が集まっている。なお、ブラウザーフィンガープリントは以下のような用途で主に用いられている。
ターゲティング広告
インターネット上のターゲティング広告ではユーザーの興味・関心に基づいた広告を配信する。ブラウザーフィンガープリントを用いることで、こうしたターゲティングが可能となる。
不正アクセスの防止
ブラウザーフィンガープリントを用いることでアクセスするユーザーのWebブラウザーを判別できるため、不正なアクセスを企むユーザーのログイン試行を未然に防止可能となる。また、詐欺行為や不正なトランザクションの検出にも利用される。