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チェーンメール

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受信者に対して不特定多数の他者へ転送を促す迷惑メールの一種


チェーンメールとは、受信者に対して、別の不特定多数への転送を促す文言が記載された迷惑メールの一種である。メール文面に「このメールを知り合いの5人に転送してください」のような指示があるのがチェーンメールの典型で、指示に従ってメールを転送すると、連鎖的(チェーン)にメールが送られ、メールの配信数が指数関数的に増えていく。チェーンメールによる配信数の増加は通信回線やメールサーバーに過剰な負担をかける迷惑行為につながる。

チェーンメールの概念は、インターネットの普及以前から存在し、「不幸の手紙」がその代表例として挙げられる。この不幸の手紙とは、「○人に転送しないと何か悪いことが起こる」という文言で転送を強要する、悪質ないたずらであったが、2000年代以降のインターネットの普及によりEメールの利用が浸透したことで、こうした迷惑行為もより広がりを見せる結果となった。

チェーンメールの問題点は、ネットワークへの負荷だけではない。チェーンメールの内容は、特定の人物への誹謗中傷やデマ、悪意のあるものが多く、中には詐欺行為に結びつくようなものもある。2011年の東日本大震災直後は社会不安を煽る数多くのチェーンメールが出回り、社会問題ともなった。一方で、募金やボランティア活動への呼びかけなど、内容自体は善意によるものも中には存在する。さらに、2020年には新型コロナウイルス感染症の予防方法のデマ情報の拡散を狙った内容も出回った。不安に便乗した内容で、受け取った人はよかれと思って転送するケースも多い。

しかし、内容の善悪に関わらず、チェーンメールを他人に転送することは避けねばならない。それは「情報の出所が不明」、「転送が繰り返される途中で内容が改変される可能性」、「情報は拡散されたら止められない」といった問題点があるからだ。メールの内容が正しいかどうか、善意か悪意かに関わらず、他者には闇雲に転送しないというのが正しい対処だ。チェーンメールはその多くが知り合いから送られてくることが多く、つい内容を信じてしまいがちだが、冷静な対処を望みたい。

SNSの普及が、新たなチェーンメール的な脅威を生み出す

従来、チェーンメールとはEメールを媒体として拡散するものだけを指していたが、最近はSNSのダイレクトメッセージ機能を経由し、不特定多数への転送を促すメッセージが送られてくることが増えてきた。これらは、Eメールではないものの、チェーンメール的な特性を持つため、チェーンメールに含まれることがある。また、ダイレクトメッセージではなく、Twitter上の投稿でも、「拡散希望」などの書き込みをよく見かけることがある。また、LINEのグループに善意でチェーンメールの内容を転送することも散見される。しかし、このような書き込みもチェーンメール的な要素を持つため、拡散に協力する前に、冷静に内容を吟味し、真偽がはっきりしないものは拡散しないようにすることが賢明だろう。

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