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キーワード事典 | セキュリティに関するキーワードを解説

CDN (Content Delivery Network)
読み方: コンテンツデリバリネットワーク

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分散して配置されたサーバーからコンテンツを配信するネットワーク技術


負荷分散、高速化、サーバーダウンのリスク低減

CDNとは分散して配置されたサーバーにWebコンテンツをキャッシュして配信し、負荷分散と高速化、サーバーダウンのリスク低減を実現する技術のこと。従来、HTMLファイルや画像・動画コンテンツを有する配信元のサーバー(オリジンサーバー)に対して、短時間に多くのユーザーからアクセスが集中すると、応答の遅延、サーバーダウンなどの問題があった。高い負荷に耐えられるレベルでサーバーを維持するには多額のコストを要するため、企業の負担は大きくなってしまう。

CDNを利用すると、配信されるコンテンツが世界中に分散して配置されたサーバー(エッジサーバー)にキャッシュとして一時的に保存される。ユーザーがアクセスした際には、ユーザー近隣のエッジサーバーからコンテンツが配信されるため、オリジンサーバーへの負荷が低下し、また、ユーザーへの応答も迅速になる。レンタルサーバーを始め、ネットワーク転送量で課金される形態では、オリジンサーバーからの配信を削減することにつながり、CDNの利用がコストの最適化を実現する。特に、動画配信のように大容量のデータへ各ユーザーがアクセスするケースでは、速度・コストの両面で大きな効果が期待できる。

セキュリティ向上でDDoS攻撃などのサイバー攻撃を防御

CDNを導入するメリットの一つに、セキュリティの向上も挙げることができる。例えば、DDoS攻撃は大量のアクセスによってサーバーダウンを狙うサイバー攻撃であるが、CDNを利用することで負荷分散できるため、オリジンサーバーが停止するリスクを軽減できる。CDNサービスの大手企業では、DDoS攻撃を監視・検知・防御する仕組みを提供し、サービスの可用性を高めている。

CDNの注意点としては、キャッシュが保持されている時間はファイルが更新されない点が挙げられる。ユーザー向けのメッセージをリアルタイムに変更したい場合などに問題が生じる可能性がある。また、障害によって、あるユーザーに対して動的に生成された情報がキャッシュサーバーに保存されることで、別のユーザーにその情報が表示されてしまうといった問題も報告されている。キャッシュの対象とするデータの選別には慎重を期する必要がある。

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