不特定多数のユーザー間で、サーバーを介することなくファイルの受け渡しをするためのソフト
ファイル共有ソフトとは、インターネット上の不特定多数のユーザー間で、サーバーを介することなくファイルの受け渡しを行えるようにするソフト。匿名でファイルのやり取りを行える。「ファイル交換ソフト」とも呼ばれる。
個々の利用者同士で、「Peer to Peer」でファイルのやり取りすることから、「P2Pソフト」と呼ばれる場合もある。
代表的なソフトには、「Napster」「BitTorrent」「WinMX」「Winny」「Share」「LimeWire/Cabos」「PerfectDark」がある。
セキュリティ上における意味
アプリケーションの脆弱性に対する攻撃の防御
ソフト自体は違法なものではない。しかし、匿名でファイルをやりとりできる性質から、無断コピーした音楽ファイルや映像、ゲームなどの違法コンテンツなどが流通しており、社会問題化した。著作権法違反による警察の一斉摘発なども行われている。
また、ファイル共有ソフトの利用者を狙ったマルウェアも存在し、流通している。代表的なマルウェアのひとつ「Antinny」と呼ばれるワームは、ファイル共有ネットワーク上にアイコンやファイル名を偽装して置かれている。パソコン内に保存されている個人情報や機密情報ファイルを公開用フォルダに勝手にコピーするため、ユーザーの知らぬ間に情報が漏洩してしまう。また端末内のデータを破壊する「タコイカウイルス(別名:原田ウイルス)」なども出回った。
ファイル共有ソフトを介した情報流出事故はこれまで頻繁に発生しており、企業からの顧客情報流出のほか、原発関連資料や自衛隊の機密情報、警察の捜査資料などが流出したケースも報告されている。そのため、多くの企業や組織ではファイル共有ソフトの利用を禁止している。