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Tor

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IPアドレスなどの痕跡を消し、通信の匿名化を可能にするソフトウェア(システム)。サイバー犯罪における利用によって注目を集めたが、他方では通信における秘匿性を守るために有効な手段とする主張もある。

Torの概要

インターネットのトラフィック分析や監視、追跡などによって国家の安全保障、企業や団体の活動、個人の自由とプライバシーなどが妨げられないようにすることを目的としたフリーのソフトウェアであり、開かれたネットワークである。

「Tor」は「The Onion Router」の頭文字を取ったもので、トレードマークの「玉ねぎ」は、幾重にもプロキシという外壁がつくられていて通信者の実体がつかめないようになっている、という意味が込められている。

当初は米政府の通信を保護することを目的に米海軍研究試験所が協力して開発されたが、後には独立して、米国立科学財団や米国務省民主主義・人権・労働局などの公的機関や個人の寄付金を資金とした小さな非営利団体によって管理されている。

さまざまなプロジェクトが進められているが、最も代表的なものが、インターネット上で監視や追跡を受けずに安心して閲覧できるブラウザ「Tor Browser」であり、WindowsだけでなくLinuxとMacにも対応したフリーソフトとして公開されている。

特徴

接続経路を相手に分からないようにする匿名通信システム(または匿名化ツール)の中で、最もよく知られているツールが「Tor」である。「Privoxy」や「ProxyChains」と並んで「多段串」と呼ばれ、幾重にもプロキシを中継することで身元の追跡を困難にしている。

組織内で通信トラフィックの軽減などで導入される透過型のプロキシと異なり、インターネット上でIPアドレスなどが公開されている匿名=公開型のプロキシが利用されている。

国内では2012年に起こったPC遠隔操作事件で犯人が送信元を隠すために使って掲示板に書き込みを行ったことにより、一般的にもよく知られるようになった。

実際にサイバー攻撃や闇市場で悪用されているという声が大きいのは事実であるが、同時に、本来の開発理念や実際の利用のされ方には、むしろサイバー空間における自由や秘匿性を確保する上での重要なツールという位置付けがあり、両極端の評価を受けている。

また、場合によっては複数のプロキシを経由するために通信速度が遅くなり、Webの閲覧にストレスがたまることや、プロキシによるアクセスを規制しているサイトやプロバイダには利用できないなど、ブラウザの使い勝手が悪くなるという側面もある。

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