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TKIP(Temporal Key Integrity Protocol)

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Wi-Fiで用いられているセキュリティのプロトコルで、WEPの弱点を解消するためにWPAに採用された。しかしその後WPA2にはCCMPが採用されたため、将来的にはTKIPは規格外となる予定である。

Wi-Fiの認証方式にはWEP、WPA、WPA2の3種類がある。TKIPとはWPAで採用されているセキュリティのプロトコルである。WEPのセキュリティでは鍵データが容易に解読される恐れがあるなど問題点が多く発生し、そのため急きょ、WPAが用意された。

WPAは、既存の製品に対する互換性のこともあり、暗号化アルゴリズムをそのままRC4を使用するなど、WEPと同じ仕様の部分も多々あるが、セキュリティ面においては安全性を高めることが必須だったため、TKIP関連にしても、かなり堅固な防御が施されている。

まとめると、TKIPには、以下の3重の防御が施されている点に特徴がある。

(1)送信時の鍵データの堅牢性の強化

秘密鍵とIV(初期化ベクター Initialization Vector)を単純に足し合わせるのではなく、関数で混ぜ合せた上で暗号化アルゴリズム(RC4)の初期化を行っており、第三者が鍵を探り当てようと攻撃を仕掛けても、簡単には解明できないようになっている。

(2)パケットのカウンター管理

送信データを順番に同じサイズで送り出すストリーミング方式によらず、ランダムに任意のサイズのパケットを送り出すブロック方式を採用している。本来の順番とは異なる形でデータを送信し、それぞれのブロックにカウンター情報を付け加えている。暗号化の際にはこのカウンター情報も含めて行われるため、外部からの傍受が困難になっている。

(3)改ざん防止対策

第三者による改ざんがないかを確認する技術である「完全性」方式については「MIC」(Message Integrity Code)が採用されており、それ自体が一つの一時鍵になっている。MICの値はアルゴリズムである「Michael」」によって計算され、送信する前のデータに付加されているため、受信後に変更がないかどうかがチェックできるようになっている。

TKIPの難点としては、パケットごとに異なる鍵を生成しているため、通信速度に影響を与えることが挙げられる。また堅牢とはいえ決して完璧ではなく、その後、攻撃者側からのパケットを紛れ込ませることが可能な手法なども発見されている。

そのため、通信速度に影響を与えずにより安全性を高めたものとしてAES(WPA2)が後に新たに採用されることとなった。

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