個々の無線LAN(Wi-Fi)ルーター機器(親機)に付けられた名称。親機はこのSSIDを電波を通じて定期的に周囲に存在するパソコンやスマートフォンなどの各端末(子機)に周知しており、これらの子機はこのSSIDによってインターネットのアクセスポイントや内部ネットワークのルーターを識別する。
無線LAN(Wi-Fi)は物理的にはアンテナと電波を使ってネットワークを組んでいる。子機(クライアント)は親機(ホスト)と接続し、親機はインターネットと接続する。
子機には以下のものが含まれる。
- パソコン
- タブレット
- スマートフォン
- ゲーム機
- プリンター
- デジタルカメラ
- オーディオ機器
親機には以下のものが含まれる。
- 無線LAN(Wi-Fi)ルーター
- スマートフォン(テザリング)
- 携帯型Wi-Fiルーター
- 公衆無線LANのアクセスポイント
有線のネットワークは物理的にはケーブルによって接続する相手が定まるが、無線の場合、アンテナから発せられた電波によって相手を確かめなければならない。そこで親機は定期的に(基本は0.1秒ごとに)SSIDを含むビーコンを周囲に発信して、自分の存在を知らせている。子機はこの情報をもとに接続する相手を確認する。
子機の側から見ると、周囲には複数のアクセスポイントが存在することがあるが、その中から接続すべき相手をSSIDによって見つけることができる。
SSIDは数字とアルファベットの小文字と大文字を組み合わせて、32文字以内で設定される。大半はサービスを提供する側や製造メーカーと機器名をもとに作成されているが、所有者が名称を変えることもできる。
SSIDに接続するにはパスワード(セキュリティキーまたは暗号化キーとも呼ばれる)が求められる。主に用いられているのは、5桁で構成されるWEPと9桁で構成されるWPAであるが、WEPは短時間で解析ツールなどで特定されてしまう恐れがあるので推奨されない。
料金のかからない公衆無線LANの場合でも、大半のサービスではパスワードが設定されている。SSIDを「ANY」または空白にすると全くパスワードが不要になるが、通信内容が暗号化されず平文で送受信されるため推奨されない。
アクセスポイントが発信する電波にSSIDを含めないようにするには、「SSIDステルス機能」が用いられる。