2007年4月 世界のマルウェアランキング

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2007年4月の月間マルウェアランキング結果発表
 
-4月度は新種の脅威が急増-
マルウェアレポーティングシステム 「ThreatSense.Net(c)」 の開発元であるESETによると、4月度のマルウェアランキングは、「Win32/TrojanDownloader.Ani.Gen」が第1位という結果になりました。3月度はランキング全体がほぼ平準化していましたが、4月度は新種の脅威が活発化し再びランキング上位と下位の差が大きくなりました。上位5つの脅威を合わせると、その割合は全体の14%近くになります。
 
順位
 ウイルス名  種類
割合(%)
 1位  Win32/TrojanDownloader.Ani.Gen  トロイの木馬  4.95%
 2位  Win32/PSW.Agent.NCC  トロイの木馬  2.85%
 3位  Win32/Pacex.Gen  ワーム  2.21%
 4位  Win32/TrojanDownloader.Agent.AWF  トロイの木馬  1.80%
 5位  Win32/Perlovga  トロイの木馬  1.45%
 6位  Win32/Adware.Boran  アドウェア  1.30%
 7位  Win32/PSW.QQRob  トロイの木馬  1.27%
 8位  Win32/Nuwar.gen  ワーム  1.18%
 9位  Win32/Netsky.Q  ワーム  1.17%
 10位  Win32/Adware.Virtumode  アドウェア  1.14%

提供元:ESET

第1位に躍り出たAni.Gen
第1位: Win32/TrojanDownloader.Ani.Gen [全体の4.95%]
Ani.Genは、4月度に検出された脅威全体のうち5%近くを占めていました。
Win32/TrojanDownloader.Ani.Genとして検出されるこの脅威は、先日発覚したWindowsオペレーティングシステムのアニメーションカーソル(ani)ファイルの処理方法に起因する脆弱性を悪用します。

 
1位を明け渡すも2位に留まったAgent.NCC
第2位: Win32/PSW.Agent.NCC [全体の2.85%]
3月度のランキングでは第1位を獲得したこのトロイの木馬は、ユーザーのキー入力を記録してパスワードを盗み出すために使用されます。
 
突如第3位に登場したPacex.Gen
第3位:Win32/Pacex.Gen [全体の2.21%]
このマスメーリング型ワームは3月に発見され、驚異的な勢いで拡散しています。
 
ボットネットを操るAgent.AWFは第4位にランクダウン
第4位:Win32/TrojanDownloader.Agent.AWF [全体の1.80%]
このトロイの木馬は、Webサイトから別のマルウェアをダウンロードしてボットネットを構築するために使用されます。構築されたボットネットは、スパムメールの送信やDDoS攻撃の実行に使用されます。
 
Perlovgaは第5位にランクアップ
第5位:Win32/Perlovga [全体の1.45%]
今年に入ってから被害が増加しているトロイの木馬は、先月の第7位から浮上しました。電子メール、FTP、P2Pアプリケーションなど、あらゆるソースを介して感染を広げ、感染先のコンピュータから機密情報を収集します。

 
第6位:Win32/Adware.Boran [全体の1.30%]
アドウェアのWin32/Adware.BoranInternetは、 ExplorerにBHOをインストールし、ユーザーがWebサイトを閲覧中にポップアップ広告を表示します。
 
第7位:Win32/PSW.QQRob [全体の1.27%]
Win32/PSW.QQRobは、キーロガーの機能を備えたトロイの木馬です。この種の脅威は、ユーザーの操作を監視して、パスワードなどの機密情報を収集しようとします。
 
第8位は、ワームのWin32/Nuwar.gen [全体の約1.18%]、
第9位は、同じくワームのWin32/Netsky.Q [全体の約1.17%]、
第10位は、アドウェアのWin32/Adware.Virtumode [全体の約1.14%]"でした。
 
現在、最も広範囲に感染を広げているのは、 ほかとは違う機能と特徴を備えたマルウェアです。 そして多くの場合、これらのマルウェアにはいくつかの(場合によっては多数の)亜種が存在します。 こうしたことから、今日のアンチウイルスソリューションには、 定義ファイルの更新頻度が高いことに加えて、NOD32アンチウイルスが備えているような、 日々出現する新しい未知の脅威を検出できるプロアクティブな検出機能 が求められていると言うことができます。
ThreatSense.Netとは?
世界の数百万台ものクライアントコンピュータから収集されたマルウェア検出統計をレポートするThreatSense.Netは、数あるマルウェアレポーティングシステムの中で最も包括的なシステムです。 ESETのマルウェアレポーティングシステムは、virus radar で実現されている元々のコンセプトから現在のThreatSense.Netへと進化する過程で、収集する統計データを大幅に拡充してきました。virus radarが電子メール経由で広まる脅威だけを対象としているのに対し、ThreatSense.Netは、ユーザーのコンピュータで検出されたあらゆるタイプの脅威に関する情報を収集しています。 ThreatSense.Netは、現在のマルウェアの活動および拡散状況を包括的に把握できるようなレポーティングサービスを有効にしているNOD32アンチウイルスユーザーから統計データを匿名情報として収集しています。現在、統計データは1,000万台以上ものコンピュータから収集されており、これまでにThreatSense.Netによって確認された脅威/マルウェアのファミリは1万種類に上ります。
 
 
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