デスクトップ環境をインターネット経由で提供するクラウドサービスの一種
DaaSは「Desktop as a Service」の略語で、クラウド上の仮想デスクトップ環境をインターネット経由で提供するサービスを指す。企業や組織で利用されているパソコンのデスクトップ環境をクラウド上のサーバーに集約し、ユーザーはインターネット経由で自分の仮想デスクトップ環境にアクセスする形で利用する。
OSやアプリケーション、データなどはすべて、DaaSを提供するサービス事業者のサーバー上に置かれ、動作処理もサーバー上で行われる。ユーザーが実際に操作する端末には、処理が終わった後の画面が転送されるだけなので、画面を表示できる端末を用意すれば利用することができる。
クラウドサービスであるため、バージョンアップ、パッチ管理などクライアント側の端末を効率よく集中管理できる。ユーザーの手元にある端末が故障した場合も、代替機で仮想デスクトップ環境にアクセスすることで、それまでと同じサービスを継続して利用できる。
セキュリティ上における意味
端末にデータを残さないため、万が一紛失や盗難が発生してもデータ流出を防ぐことができる。また一元管理により、自宅や外出先の端末で業務を行う場合も、オフィスのパソコンと同レベルのセキュリティを維持できる。
一方、セキュリティ対策に関してサービス事業者に大きく依存しており、サービス事業者がサイバー攻撃を受けるなどしてデータが漏えいするなどした場合は、大きなダメージを負う。
また、サービス事業者のデータセンターにおいてネットワークの遮断、停電、火災、管理ミス、自然災害、倒産などによってサービスが停止した場合、それにともないデスクトップ環境を利用できなくなる可能性がある。サービス事業者の信頼性やバックアップ体制などをに注意を払う必要がある。