Win32/Spy.Bebloh.O
公開日:2017年01月05日
危険度:3
定義名称 | Win32/Spy.Bebloh.O |
---|---|
シグネチャ検査による結果だった場合 | Win32/Spy.Bebloh.O |
別名 | Trojan.Win32.Inject.acbmp(Kaspersky)、Trojan.DownLoader23.15820(Dr.Web) |
種別 | トロイの木馬 |
アドバンスドヒューリスティック検査による結果だった場合 | このオリジナルのトロイを利用した新種、亜種が検出された場合は、「NewHeur_PE」もしくは「Win32/Spy.Bebloh.Oの亜種 トロイの木馬」という名称で警告が出ます。 |
対応時期 | バージョン14328(20161024)以降 |
影響を受けるプラットフォーム | Microsoft Windows |
概要 | これは、リモートからコントロール可能なバックドア型のトロイの木馬です。詳しい活動内容については、下記をご参照ください。 |
検出した場合の対処方法
常駐監視を行っている各検査プログラムによって検出された場合は、駆除もしくは削除を行ってください。駆除もしくは削除ができない場合は、Windows のシステムの復元により修復しなければならない可能性があります。
対象のファイルが身に覚えのないファイル名の場合は、そのファイル自身がウイルスそのものである可能性が高いので、駆除ではなくすべて削除をしてください。これにより2次感染、3次感染を防げます。また、自分が作成したデータ等に感染していた場合は、駆除が可能な場合もありますが、駆除のボタンが押せない状態もしくは駆除しても失敗する場合は、すでに元のデータの戻せない状態までデータが書き換えられている場合もあります。この場合もすべて削除してください。
解説での表記(用語)について
以下の説明文では、環境変数を利用して各ファイルやディレクトリへのパスを表記しています。
例:
%windir% : Windowsオペレーティングシステムがインストールされたディレクトリのパス(インストール時の設定により異なる場合があります)。
%system% : %windir% のサブディレクトリである"System"や"System32"のパス。
%malwarefilepath% : マルウェアプログラムまでのパス。
%malwarefilename% : マルウェアプログラムまでのファイル名。
その他に関しては、以下のページも参考にしてください。
Microsoft Malware Protection Center - Malware help
Common Folder variables
解説
侵入(インストレーション)について
このトロイの木馬は、実行時に自身を次の場所へコピーします。
%programfiles%\Windows NT\%variable1%%variable2%%variable3%.exe
%appdata%\%variable1%%variable2%%variable3%.exe
次のファイルを作成する場合があります。
%programfiles%\Windows NT\%variable1%%variable2%%variable3%.lnk
%appdata%\%variable1%%variable2%%variable3%.lnk
いずれもこのトロイの木馬のファイルへのショートカットです。
次のレジストリーエントリーを設定する場合があります。
[HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run]
"%variable1%%variable2%%variable3%" = "%programfiles%\Windows NT\%variable1%%variable2%%variable3%.lnk"
[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run\
"%variable1%%variable2%%variable3%" = "%appdata%\%variable1%%variable2%%variable3%.lnk"
これにより、システムが起動するたびに実行されるようになります。
%variable1%は次の文字列のいずれかになります。
win
video
def
mem
win
dns
user
logon
hlp
mixer
pack
mon
srv
exec
play
%variable2%には可変の文字列が入ります。
%variable3%は次の文字列のいずれかになります。
(空の文字列)
win
video
def
mem
win
dns
user
logon
hlp
mixer
pack
mon
srv
exec
play
次のプロセスを起動します。
%originalmalwarefilepath%
%windir%\explorer.exe
%windir%\SysWOW64\explorer.exe
%programfiles%\Internet Explorer\iexplore.exe
これらの実行中のプロセスに自身のコードを挿入して新たなスレッドを作成、実行します。
実行先が特定の仮想環境内であることを検出すると、自身の実行を終了します。
名前に次の文字列のいずれかが含まれているプロセス内のモジュールが読み込まれたことを検出すると、直ちに自身を終了します。
sbiedll.dll
デバッガ内で実行されている場合は、直ちに自身を終了します。
実行ファイルのパスに次の文字列のいずれかが含まれている場合は、直ちに自身を終了します。
SANDBOX
VIRUS
SAMPLE
インストール終了後、元の実行ファイルを削除します。
情報の取得
このトロイの木馬は、次の情報を収集します。
コンピューターのIPアドレス
言語設定
プロキシサーバーの設定
OSとシステム設定に関する情報
収集した情報をリモートのコンピューターに送信しようとします。
その他の情報
このトロイの木馬は、リモートのコンピューターもしくはインターネットからデータや命令を受け取ります。
1つのURLを保持しています。さまざまなURLを生成します。通信にはHTTPSプロトコルが使用されます。
次を実行します。
リモートのコンピューターもしくはインターネットからファイルをダウンロードする
実行ファイルを実行する
レジストリーエントリーを作成する
自身をバージョンアップする
一定期間、自身を停止する
次のレジストリーキーにあるさまざまな情報を保持します。
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\%variable%]
[HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\%variable%]
%variable%には可変の文字列が入ります。