Win32/Spy.Banker.ADYV
公開日:2017年08月25日
危険度:1
定義名称 | Win32/Spy.Banker.ADYV |
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シグネチャ検査による結果だった場合 | Win32/Spy.Banker.ADYV |
別名 | |
種別 | トロイの木馬 |
アドバンスドヒューリスティック検査による結果だった場合 | このオリジナルのトロイを利用した新種、亜種が検出された場合は、「NewHeur_PE」もしくは「Win32/Spy.Banker.ADYVの亜種 トロイの木馬」という名称で警告が出ます。 |
対応時期 | バージョン15696(20170705)以降 |
影響を受けるプラットフォーム | Microsoft Windows |
概要 | このトロイの木馬は、パスワードなどの個人情報を盗み出してリモートのコンピューターに送信しようとします。詳しい活動内容については、下記をご参照ください。 |
検出した場合の対処方法
常駐監視を行っている各検査プログラムによって検出された場合は、駆除もしくは削除を行ってください。駆除もしくは削除ができない場合は、Windows のシステムの復元により修復しなければならない可能性があります。
対象のファイルが身に覚えのないファイル名の場合は、そのファイル自身がウイルスそのものである可能性が高いので、駆除ではなくすべて削除をしてください。これにより2次感染、3次感染を防げます。また、自分が作成したデータ等に感染していた場合は、駆除が可能な場合もありますが、駆除のボタンが押せない状態もしくは駆除しても失敗する場合は、すでに元のデータの戻せない状態までデータが書き換えられている場合もあります。この場合もすべて削除してください。
解説での表記(用語)について
以下の説明文では、環境変数を利用して各ファイルやディレクトリへのパスを表記しています。
例:
%windir% : Windowsオペレーティングシステムがインストールされたディレクトリのパス(インストール時の設定により異なる場合があります)。
%system% : %windir% のサブディレクトリである"System"や"System32"のパス。
%malwarefilepath% : マルウェアプログラムまでのパス。
%malwarefilename% : マルウェアプログラムまでのファイル名。
その他に関しては、以下のページも参考にしてください。
Microsoft Malware Protection Center - Malware help
Common Folder variables
解説
侵入(インストレーション)について
このトロイの木馬は、自身のコピーを作成しません。
通常は別のマルウェアの一部です。
次のシステムドライバーをインストールする場合があります。(パス, 名前の順)
%windir%\system32\drivers\%variable1%.sys, %variable2%
次のレジストリーエントリーを設定する場合があります。
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\services\avast! Antivirus]
"Start" = 4
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\services\avgwd]
"Start" = 4
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\services\AVG Antivirus]
"Start" = 4
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\services\BavSvc]
"Start" = 4
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\services\WinDefend]
"Start" = 4
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\services\AntiVirService]
"Start" = 4
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Security Center]
"AntiVirusDisableNotify" = 1
[HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\Explorer]
"DisableNotificationCenter" = 1
次のファイルを削除する場合があります。
%windir%\system32\drivers\%variable1%.sys
%startup%\%variable3%.lnk
%appdata%\%variable4%
次のレジストリーエントリーを削除する場合があります。
[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion]
"%variable5%" = "%existingrecord%"
[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run]
"%variable3%" = "%existingrecord%"
%variable1-5%には可変の文字列が入ります。
次のコマンドを実行する場合があります。
bcdedit.exe /set testsigning Yes
schtasks.exe /Create /SC ONLOGON /TN "jFEs7TM3" /TR "%malwarecmdline%" /F /RL HIGHEST
schtasks.exe /Delete /TN "jFEs7TM3" /F
shutdown.exe -r -f -t 0
情報の取得
このトロイの木馬は個人情報を盗み出します。
正規のアプリケーションであるように見せかけようとします。
このマルウェアの目的は、ユーザーに個人情報を入力/送信させることです。
次の情報を収集します。
特定のアプリケーション/サービスのログインユーザー名
特定のアプリケーション/サービスのログインパスワード
ユーザー名
コンピューター名
ボリュームシリアルナンバー
OSのバージョン
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\CLSID]レジストリーサブキー以下のインストール済みのプログラムコンポーネント
インストールされているソフトウェア
マルウェアのバージョン
収集した情報をリモートのコンピューターに送信しようとします。通信にはHTTPプロトコルが使用されます。
その他の情報
このトロイの木馬は、リモートのコンピューターもしくはインターネットからデータや命令を受け取ります。
2つのURLを保持しています。通信にはTCPプロトコルが使用されます。
次を実行します。
リモートのコンピューターもしくはインターネットからファイルをダウンロードする
実行ファイルを実行する
自身をバージョンアップする
スクリーンショットを作成する
コンピューターをシャットダウン/再起動する
ユーザーの入力(クリック、タップ)をシミュレートする
マウスの操作をシミュレートする
アプリケーションウィンドウを操作する
収集した情報を送信する
特定のWindows APIをフックして、入力データやメッセージを横取りする場合があります。
次のWindows APIをフックして、入力データやメッセージを横取りします。
LdrLoadDll (ntdll.dll)