Win32/Shyape.T
公開日：2018年05月23日
危険度：1
| 定義名称 | Win32/Shyape.T |
|---|---|
| シグネチャ検査による結果だった場合 | Win32/Shyape.T |
| 別名 | Backdoor.Win32.FFRat.z（Kaspersky）、BackDoor.FFRat.1（Dr.Web）、Trojan.Feratuser（Symantec） |
| 種別 | トロイの木馬 |
| アドバンスドヒューリスティック検査による結果だった場合 | このオリジナルのトロイを利用した新種、亜種が検出された場合は、「NewHeur_PE」もしくは「Win32/Shyape.Tの亜種 トロイの木馬」という名称で警告が出ます。 |
| 対応時期 | バージョン15744（20170714）以降 |
| 影響を受けるプラットフォーム | Microsoft Windows |
| 概要 | このトロイの木馬は、インターネットから別のマルウェアをダウンロードしようとします。詳しい活動内容については、下記をご参照ください。 |
検出した場合の対処方法
常駐監視を行っている各検査プログラムによって検出された場合は、駆除もしくは削除を行ってください。駆除もしくは削除ができない場合は、Windows のシステムの復元により修復しなければならない可能性があります。
対象のファイルが身に覚えのないファイル名の場合は、そのファイル自身がウイルスそのものである可能性が高いので、駆除ではなくすべて削除をしてください。これにより2次感染、3次感染を防げます。また、自分が作成したデータ等に感染していた場合は、駆除が可能な場合もありますが、駆除のボタンが押せない状態もしくは駆除しても失敗する場合は、すでに元のデータの戻せない状態までデータが書き換えられている場合もあります。この場合もすべて削除してください。
解説での表記(用語)について
以下の説明文では、環境変数を利用して各ファイルやディレクトリへのパスを表記しています。
例:
%windir% : Windowsオペレーティングシステムがインストールされたディレクトリのパス(インストール時の設定により異なる場合があります)。
%system% : %windir% のサブディレクトリである"System"や"System32"のパス。
%malwarefilepath% : マルウェアプログラムまでのパス。
%malwarefilename% : マルウェアプログラムまでのファイル名。
その他に関しては、以下のページも参考にしてください。
Microsoft Malware Protection Center - Malware help
Common Folder variables
解説
侵入(インストレーション)について
このトロイの木馬は、実行時に次のファイルを作成する場合があります。
%windir%\Temp\S%variable1%.dat (570680 B)
%temp%\RSUAC_DF_%variable2%.tmp (178002 B)
%temp%\RSUAC_DL_%variable2%.tmp (36864 B, Win32/Shyape.T)
%temp%\ISUAC_DF_%variable3%.tmp (178002 B)
%temp%\ISUAC_DL_%variable3%.tmp (36864 B, Win32/Shyape.T)
%windir%\Media\WindowsMainSound.wav (4096 B)
%system%\RCoResX64.dat (71992 B, Win32/Shyape.T)
%temp%\ISUAC_MC_%variable4%.msu (36941 B)
マルウェアの設定は、マルウェアの実行ファイルの起動時にコマンドラインパラメータとして渡されるか、ファイルから読み込まれます。
%variable1-4%には可変の文字列が入ります。
次のファイル名のいずれかを使用して自身をシステムサービスとして登録します。
Irmon
Nwsapagent
NWCWorkstation
Iprip
これにより、システムが起動するたびに実行されるようになります。
次のレジストリーエントリーを設定します。
[HKEY_LOCAL_MACHINE\System\CurrentControlSet\Services\%servicename%]
"ImagePath" = "%windir%\System32\svchost.exe -k netsvcs"
"ObjectName" = "LocalSystem"
"DisplayName" = "Internet Router Service"
"Description" = "Internet Router Service"
"Type" = 120
"Start" = 2
"ErrorControl" = 0
"IsDriverWrite" = 1
[HKEY_LOCAL_MACHINE\System\CurrentControlSet\Services\%servicename%\Parameters]
"ServiceDll" = "%system%\RCoResX64.dat"
"ServiceMain" = "DllRegisterServer"
"ServiceDllUnloadOnStop" = 1
%servicename%は次の文字列のいずれかになります。
Irmon
Nwsapagent
NWCWorkstation
Iprip
次のコマンドを実行します。
cmd.exe /c del /q %malwarefilepath%
%system%\wusa.exe %temp%\ISUAC_MC_%variable4%.msu /extract:%system%
%system%\wusa.exe %temp%\ISUAC_MC_%variable4%.msu /extract:%system%\sysprep
%system%\wusa.exe %temp%\ISUAC_MC_%variable4%.msu /extract:%system%\migwiz
cacls.exe %system%\ntwdblib.dll /G SYSTEM:F /E
cacls.exe %system%\sysprep\CRYPTBASE.dll /G SYSTEM:F /E
cacls.exe %system%\migwiz\CRYPTBASE.dll /G SYSTEM:F /E
%system%\cliconfg.exe %temp%\ISUAC_DF_%variable3%.tmp
%system%\sysprep\sysprep.exe %temp%\ISUAC_DF_%variable3%.tmp
%system%\migwiz\migwiz.exe %temp%\ISUAC_DF_%variable3%.tmp
ハードディスクのMBR（マスターブートレコード）を自身のプログラムコードで置き換えます。
自身のデータをハードディスクの末尾に書き込む場合があります。
次のレジストリーエントリーを設定する場合があります。
[HKEY_CURRENT_USER\Software\Classes\CLSID\{ECD4FC4D-521C-11D0-B792-00A0C90312E1}\InProcServer32]
"(Default)" = "%temp%\RSUAC_DL_%variable2%.tmp"
"RSUAC_DF_NAME" = "%temp%\RSUAC_DF_%variable2%.tmp"
"ThreadingModel" = "Apartment"
[HKEY_CURRENT_USER\Software\Classes\CLSID\{B12AE898-D056-4378-A844-6D393FE37956}\InProcServer32]
"(Default)" = "%temp%\RSUAC_DL_%variable2%.tmp"
"RSUAC_DF_NAME" = "%temp%\RSUAC_DF_%variable2%.tmp"
"ThreadingModel" = "Apartment"
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\{6CD70ECA-9CA1-4862-B00C-BACA47548B1B}]
"SrvCode" = %binvalue1%
"SrvHash" = %binvalue2%
"ConfigInfo" = %binvalue3%
"PluginInfo" = 0
"GroupIndex" = 0
"UserNote" = 0
インストール終了後、元の実行ファイルを削除します。
その他の情報
このトロイの木馬は、インターネットから別のマルウェアをダウンロードしようとします。
3つのURLを保持しています。そのURLからいくつかのファイルをダウンロードしようとします。通信にはHTTPプロトコルが使用されます。
ダウンロードしたファイルは、暗号化されてレジストリーに保存されます。
データは、次のレジストリーキーに保存されます。
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\{6CD70ECA-9CA1-4862-B00C-BACA47548B1B}]
"SrvCode" = %binvalue1%
このファイルを復号してから実行します。
実行中のプロセスの名前に次の文字列のいずれかが含まれている場合は、直ちに自身を終了します。
KSafeSvc.exe
KSafeTray.exe
kxetray.exe
実行中のプロセスの名前に次の文字列のいずれかが含まれている場合は、異なる振る舞いをします。
360rp.exe
360rps.exe
360Safe.exe
360sd.exe
360Tray.exe
AvastSvc.exe
AvastUI.exe
avgcsrvx.exe
avgidsagent.exe
avgnsx.exe
avgrsx.exe
avgui.exe
avgwdsvc.exe
avp.exe
BaiduSd.exe
BaiduSdSvc.exe
bdagent.aye
odscanui.aye
QQPCRTP.exe
QQPCTray.exe
seccenter.aye
vsserv.aye
ZhuDongFangYu.exe
次のプロセスに自身のプログラムコードを挿入して新たなスレッドを作成、実行する場合があります。
dwm.exe
taskhostex.exe
taskhostw.exe
cliconfg.exe
migwiz.exe
sysprep.exe
次の一時ファイルを作成します。
%system%\ntwdblib.dll (36864 B, Win32/Shyape.T)
%system%\sysprep\CRYPTBASE.dll (36864 B, Win32/Shyape.T)
%system%\migwiz\CRYPTBASE.dll (36864 B, Win32/Shyape.T)
32ビットおよび64ビット両方のプログラムのコンポーネントを保持しています。