Win32/Rootkit.Agent.OCL

公開日:2018年12月21日

危険度:1

定義名称 Win32/Rootkit.Agent.OCL
シグネチャ検査による結果だった場合 Win32/Rootkit.Agent.OCL
別名 Trojan.NtRootKit.19689(Dr.Web)
種別 トロイの木馬
アドバンスドヒューリスティック検査による結果だった場合 このオリジナルのトロイを利用した新種、亜種が検出された場合は、「NewHeur_PE」もしくは「Win32/Rootkit.Agent.OCLの亜種 トロイの木馬」という名称で警告が出ます。
対応時期 バージョン18147(20080821)以降
影響を受けるプラットフォーム Microsoft Windows
概要 このトロイの木馬は、ユーザーのシステムにさまざまなマルウェアを配信するように設計されています。Enigmaを使用して実行ファイルが圧縮されています。詳しい活動内容については、下記をご参照ください。

検出した場合の対処方法

常駐監視を行っている各検査プログラムによって検出された場合は、駆除もしくは削除を行ってください。駆除もしくは削除ができない場合は、Windows のシステムの復元により修復しなければならない可能性があります。

対象のファイルが身に覚えのないファイル名の場合は、そのファイル自身がウイルスそのものである可能性が高いので、駆除ではなくすべて削除をしてください。これにより2次感染、3次感染を防げます。また、自分が作成したデータ等に感染していた場合は、駆除が可能な場合もありますが、駆除のボタンが押せない状態もしくは駆除しても失敗する場合は、すでに元のデータの戻せない状態までデータが書き換えられている場合もあります。この場合もすべて削除してください。

解説での表記(用語)について

以下の説明文では、環境変数を利用して各ファイルやディレクトリへのパスを表記しています。

例:
%windir% : Windowsオペレーティングシステムがインストールされたディレクトリのパス(インストール時の設定により異なる場合があります)。
%system% : %windir% のサブディレクトリである"System"や"System32"のパス。
%malwarefilepath% : マルウェアプログラムまでのパス。
%malwarefilename% : マルウェアプログラムまでのファイル名。

その他に関しては、以下のページも参考にしてください。
Microsoft Malware Protection Center - Malware help
Common Folder variables

解説

侵入(インストレーション)について

このトロイの木馬は、自身のコピーを作成しません。

ハードディスクのMBR(マスターブートレコード)を自身のプログラムコードで置き換えます。

元のMBRの最初のセクタを新しいMBRのセクタ2に保存します。

次のプロセスに自身のプログラムコードを挿入して新たなスレッドを作成、実行します。

winlogon.exe
explorer.exe
svchost.exe

その他の情報

このトロイの木馬は、インターネットからいくつかのファイルをダウンロードし、実行しようとします。

2つのURLを保持しています。通信にはHTTPプロトコルが使用されます。

次のファイルを作成する場合があります。

%systemroot%\Temp\conhost.exe

次のファイルにあるさまざまな情報を保持します。

%systemroot%\Temp\ntuser.dat

検出されないようにするため、一部のセキュリティソフトウェアの動作に干渉します。

次のプログラムを終了させます。

360rps.exe
360sd.exe
360tray.exe
KSafeTray.exe
QQPCRTP.exe
Rtvscan.exe
avastsvc.exe
avengine.exe
avgnt.exe
avgrsa.exe
avgui.exe
avp.exe
avscan.exe
bdagent.exe
ccSvcHst.exe
dwarkdaemon.exe
dwengine.exe
egui.exe
ekrn.exe
mcshield.exe
mcsvhost.exe
mfefire.exe
mfemms.exe
msmpeng.exe
msseces.exe
nissrv.exe
nod32krn.exe
safedogguardcenter.exe
superkiller.exe
systemaidbox.exe
v3medic.exe
v3svc.exe
vssery.exe
wdswfsafe.exe
zhudongfangyu.exe

ネットワークトラフィックを改ざんする場合があります。

次のプログラムが影響を受けます。

Mcshield.exe
avastui.exe
bdagent.exe
inst.exe
instup.exe
ksafe.exe
liveupdate360.exe
mcuicnt.exe
qqpctray.exe
smsvchost.exe
updatasrv.exe
v3main.exe

rootkitによく見られる手法を用いています。