Win32/Phorpiex.C
公開日:2016年11月25日
危険度:1
定義名称 | Win32/Phorpiex.C |
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シグネチャ検査による結果だった場合 | Win32/Phorpiex.C |
別名 | Trojan:Win32/Dorv.C!rfn(Microsoft) |
種別 | ワーム |
アドバンスドヒューリスティック検査による結果だった場合 | このオリジナルのトロイを利用した新種、亜種が検出された場合は、「NewHeur_PE」もしくは「Win32/Phorpiex.Cの亜種 ワーム」という名称で警告が出ます。 |
対応時期 | バージョン13009(20160210)以降 |
影響を受けるプラットフォーム | Microsoft Windows |
概要 | このワームは、リムーバブルメディアを介して感染を広げます。バックドアの機能を備えており、リモートからコントロールすることが可能です。詳しい活動内容については、下記をご参照ください。 |
検出した場合の対処方法
常駐監視を行っている各検査プログラムによって検出された場合は、駆除もしくは削除を行ってください。駆除もしくは削除ができない場合は、Windows のシステムの復元により修復しなければならない可能性があります。
対象のファイルが身に覚えのないファイル名の場合は、そのファイル自身がウイルスそのものである可能性が高いので、駆除ではなくすべて削除をしてください。これにより2次感染、3次感染を防げます。また、自分が作成したデータ等に感染していた場合は、駆除が可能な場合もありますが、駆除のボタンが押せない状態もしくは駆除しても失敗する場合は、すでに元のデータの戻せない状態までデータが書き換えられている場合もあります。この場合もすべて削除してください。
解説での表記(用語)について
以下の説明文では、環境変数を利用して各ファイルやディレクトリへのパスを表記しています。
例:
%windir% : Windowsオペレーティングシステムがインストールされたディレクトリのパス(インストール時の設定により異なる場合があります)。
%system% : %windir% のサブディレクトリである"System"や"System32"のパス。
%malwarefilepath% : マルウェアプログラムまでのパス。
%malwarefilename% : マルウェアプログラムまでのファイル名。
その他に関しては、以下のページも参考にしてください。
Microsoft Malware Protection Center - Malware help
Common Folder variables
解説
侵入(インストレーション)について
このワームは、実行時に自身を次の場所へコピーします。
%windir%\M-505045058025025030484340240\winmgr.exe
%userprofile%\M-505045058025025030484340240\winmgr.exe
%temp%\M-505045058025025030484340240\winmgr.exe
システムが起動するたびに実行されるよう、次のレジストリーエントリーを設定します。
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run]
"Microsoft Windows Manager" = "%malwareinstallfilepath%"
[HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run]
"Microsoft Windows Manager" = "%malwareiinstallfilepath%"
次のレジストリーエントリーを設定します。
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\services\WinDefend]
"Start" = 4
これにより、Windows Defenderのサービスが無効になります。
次のレジストリーエントリーを設定します。
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\SharedAccess\Parameters\FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\List]
"%malwareiinstallfilepath%" = "%malwareiinstallfilepath%:*:Enabled:Microsoft Windows Manager"
これにより、Windowsファイアウォールに例外が設定され、ワームによる通信が許可されます。
インストール終了後、元の実行ファイルを削除します。
実行先が特定の仮想環境内であることを検出すると、自身の実行を終了します。
名前に次の文字列のいずれかが含まれているプロセス内のモジュールが読み込まれたことを検出すると、直ちに自身を終了します。
SBIEDLL.DLL
SBIEDLLX.DLL
VBOXHOOK.DLL
WPESPY.DLL
VMCHECK.DLL
DIR_WATCH.DLL
感染について
このワームは、次の拡張子を持つファイルをローカルドライブで探します。
.exe
.zip
.rar
次のフォルダーのみが検索されます。
*\public_html\
*\htdocs\
*\httpdocs\
*\wwwroot\
*\ftproot\
*\share\
*\income\
*\upload\
条件に合致するファイルを見つけたら、その内容を上書きします。
該当するファイルを自身のコピーで置き換える場合があります。
リムーバブルメディアへの感染について
このワームは、リムーバブルメディアを介して感染を広げます。
次のファイルを作成します。
%drive%\l.jpg
%drive%\Manager.js (78 B, Win32/Phorpiex.C)
%drive%\DeviceManager.bat (Win32/Phorpiex.C)
%drive%\.lnk (257 B)
次のファイルを同じフォルダー内に作成します。
autorun.inf (7299 B, INF/Autorun.T)
このAUTORUN.INFファイルには、マルウェアの実行ファイルへのパスが記述されています。
これにより、感染メディアがコンピューターに挿入されるたびにワームが実行されるようになります。
次のファイルを移動(移動元、移動先)します。
%drive%\*, %drive%\_\*
次の名前のファイルは避けます。
Manager.bat
Manager.js
DeviceManager.bat
autorun.inf
l.jpg
.lnk
_
情報の取得
このワームは、次の情報を収集します。
OSのバージョン
言語設定
収集した情報をリモートのコンピューターに送信しようとします。
その他の情報
このワームは、リモートのコンピューターもしくはインターネットからデータや命令を受け取ります。
18のURLを保持しています。通信にはTCPプロトコルとIRCプロトコルが使用されます。
次を実行します。
リモートのコンピューターもしくはインターネットからファイルをダウンロードする
実行ファイルを実行する
DoS/DDoS攻撃を仕掛ける
自身をアンインストールする