Win32/Korplug.HM

公開日:2018年05月23日

危険度:1

定義名称 Win32/Korplug.HM
シグネチャ検査による結果だった場合 Win32/Korplug.HM
別名 Trojan.Win32.PlugX.b(Kaspersky)、TR/Korplug.aiqaj(Avira)
種別 トロイの木馬
アドバンスドヒューリスティック検査による結果だった場合 このオリジナルのトロイを利用した新種、亜種が検出された場合は、「NewHeur_PE」もしくは「Win32/Korplug.HMの亜種 トロイの木馬」という名称で警告が出ます。
対応時期 バージョン15218(20170407)以降
影響を受けるプラットフォーム Microsoft Windows
概要 これは、リモートからコントロール可能なバックドア型のトロイの木馬です。RAR SFXを使用して実行ファイルが圧縮されています。詳しい活動内容については、下記をご参照ください。

検出した場合の対処方法

常駐監視を行っている各検査プログラムによって検出された場合は、駆除もしくは削除を行ってください。駆除もしくは削除ができない場合は、Windows のシステムの復元により修復しなければならない可能性があります。

対象のファイルが身に覚えのないファイル名の場合は、そのファイル自身がウイルスそのものである可能性が高いので、駆除ではなくすべて削除をしてください。これにより2次感染、3次感染を防げます。また、自分が作成したデータ等に感染していた場合は、駆除が可能な場合もありますが、駆除のボタンが押せない状態もしくは駆除しても失敗する場合は、すでに元のデータの戻せない状態までデータが書き換えられている場合もあります。この場合もすべて削除してください。

解説での表記(用語)について

以下の説明文では、環境変数を利用して各ファイルやディレクトリへのパスを表記しています。

例:
%windir% : Windowsオペレーティングシステムがインストールされたディレクトリのパス(インストール時の設定により異なる場合があります)。
%system% : %windir% のサブディレクトリである"System"や"System32"のパス。
%malwarefilepath% : マルウェアプログラムまでのパス。
%malwarefilename% : マルウェアプログラムまでのファイル名。

その他に関しては、以下のページも参考にしてください。
Microsoft Malware Protection Center - Malware help
Common Folder variables

解説

侵入(インストレーション)について

このトロイの木馬は、実行時に次のファイルを作成します。

%malwaretargetfolder%\mcut.exe
%malwaretargetfolder%\mcutil.dll
%malwaretargetfolder%\mcutil.dll.bbc

%targetmalwarefolder%は次の文字列のいずれかになります。

%systemdrive%\ProgramData\rZnmnSnXTvrDoz\
%systemdrive%\Documents and Settings\All Users\DRM\rZnmnSnXTvrDoz\
%systemdrive%\Documents and Settings\All Users\Application Data\rZnmnSnXTvrDoz\

次の名前を使用して自身をシステムサービスとして登録する場合があります。

rSzrXHPc

次のレジストリーエントリーを設定する場合があります。

[KEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run]
"gMsoBAlQaIyM" = "%malwaretargetfolder%\mcut.exe"

これにより、システムが起動するたびに実行されるようになります。

情報の取得

このトロイの木馬は個人情報を盗み出します。

次の情報を収集します。

感染先のコンピューターに関する情報
OSのバージョン
コンピューター名
ユーザー名
CPUの情報
ディスプレイの解像度
使用中のメモリ量
プロキシサーバーの設定
ファイルとレジストリーエントリー
実行中のプロセスの一覧
実行中のサービスの一覧
記録されたキー入力内容
スクリーンショット
システムが起動してからの経過時間(ミリ秒)

収集した情報をリモートのコンピューターに送信する場合があります。

その他の情報

このトロイの木馬は、リモートのコンピューターもしくはインターネットからデータや命令を受け取ります。

1つのURLを保持しています。通信にはTCPプロトコルとHTTPプロトコルが使用されます。

次を実行する場合があります。

偽の警告を表示する
現在のユーザーをログオフする
コンピューターをシャットダウン/再起動する
キーボードの操作をシミュレートする
マウスの操作をシミュレートする
ユーザーの入力(クリック、タップ)をシミュレートする
ファイルを作成する
ファイル名を変更する
ファイルをコピーする
ファイルを移動する
ファイルを削除する
フォルダーを作成する
フォルダーを削除する
レジストリーエントリーを削除する
実行中のプロセスを停止する
シェルコマンドを実行する
SQLコマンドを実行する

次のプロセスに自身のプログラムコードを挿入して新たなスレッドを作成、実行する場合があります。

iexplore.exe
svchost.exe
msiexec.exe

次のファイルを作成する場合があります。

%malwaretargetfolder%\%variable%
%malwaretargetfolder%\mcut\screen\%YYYYMMDDhhmmss%.jpg

%variable%と%YYYYMMDDhhmmss%には可変の文字列が入ります。