Win32/Formbook.AA

公開日:2018年07月27日

危険度:2

定義名称 Win32/Formbook.AA
シグネチャ検査による結果だった場合 Win32/Formbook.AA
種別 トロイの木馬
アドバンスドヒューリスティック検査による結果だった場合 このオリジナルのトロイを利用した新種、亜種が検出された場合は、「NewHeur_PE」もしくは「Win32/Formbook.AAの亜種 トロイの木馬」という名称で警告が出ます。
対応時期 バージョン17249(20180419)以降
影響を受けるプラットフォーム Microsoft Windows
概要 これは、リモートからコントロール可能なバックドア型のトロイの木馬です。詳しい活動内容については、下記をご参照ください。

検出した場合の対処方法

常駐監視を行っている各検査プログラムによって検出された場合は、駆除もしくは削除を行ってください。駆除もしくは削除ができない場合は、Windows のシステムの復元により修復しなければならない可能性があります。

対象のファイルが身に覚えのないファイル名の場合は、そのファイル自身がウイルスそのものである可能性が高いので、駆除ではなくすべて削除をしてください。これにより2次感染、3次感染を防げます。また、自分が作成したデータ等に感染していた場合は、駆除が可能な場合もありますが、駆除のボタンが押せない状態もしくは駆除しても失敗する場合は、すでに元のデータの戻せない状態までデータが書き換えられている場合もあります。この場合もすべて削除してください。

解説での表記(用語)について

以下の説明文では、環境変数を利用して各ファイルやディレクトリへのパスを表記しています。

例:
%windir% : Windowsオペレーティングシステムがインストールされたディレクトリのパス(インストール時の設定により異なる場合があります)。
%system% : %windir% のサブディレクトリである"System"や"System32"のパス。
%malwarefilepath% : マルウェアプログラムまでのパス。
%malwarefilename% : マルウェアプログラムまでのファイル名。

その他に関しては、以下のページも参考にしてください。
Microsoft Malware Protection Center - Malware help
Common Folder variables

解説

侵入(インストレーション)について

このトロイの木馬は、実行時に次のファイルを作成します。

%temp%\%variable%.tmp\System.dll (11264 B)
%temp%\abram.dat (157653 B)
%temp%\confectionery.dll (18944 B, Win32/Injector.DXNR)

%variable%には可変の文字列が入ります。

次のプロセスに自身のプログラムコードを挿入して新たなスレッドを作成、実行します。

audiodg.exe
autochk.exe
autoconv.exe
autofmt.exe
chkdsk.exe
cmd.exe
cmmon32.exe
cmstp.exe
colorcpl.exe
control.exe
cscript.exe
dwm.exe
explorer.exe
help.exe
ipconfig.exe
lsass.exe
lsm.exe
msdt.exe
msg.exe
msiexec.exe
mstsc.exe
NAPSTAT.EXE
nbtstat.exe
netsh.exe
NETSTAT.EXE
raserver.exe
rdpclip.exe
rundll32.exe
services.exe
spoolsv.exe
svchost.exe
systray.exe
taskhost.exe
wininit.exe
wlanext.exe
wscript.exe
wuapp.exe
wuauclt.exe
WWAHost.exe
advapi32.dll
kernel32.dll
ws2_32.dll

情報の取得

このトロイの木馬は個人情報を盗み出します。

パスに次の文字列のいずれかが含まれているプロセスから個人情報を収集します。

360browser.exe
360se.exe
avant.exe
avastszb.exe
browser.exe
chrome.exe
citrio.exe
coolnovo.exe
coowon.exe
cyberfox.exe
deepnet.exe
dooble.exe
dragon.exe
epic.exe
far.exe
filezilla.exe
firefox.exe
fling.exe
foxmail.exe
gmailnotifierpro.exe
icedragon.exe
icq.exe
iexplore.exe
incmail.exe
iridium.exe
k-meleon.exe
luna.exe
maxthon.exe
microsoftedgecp.exe
midori.exe
mustang.exe
notepad.exe
opera.exe
orbitum.exe
outlook.exe
palemoon.exe
pidgin.exe
qtweb.exe
qupzilla.exe
safari.exe
seamonkey.exe
skype.exe
sleipnir.exe
spark.exe
superbird.exe
thunderbird.exe
torch.exe
totalcmd.exe
trillian.exe
ucbrowser.exe
vivaldi.exe
waterfox.exe
webdrive.exe
whatsapp.exe
yahoomessenger.exe
ybrowser.exe

次の情報を収集します。

特定のアプリケーション/サービスのログインユーザー名
特定のアプリケーション/サービスのログインパスワード
OSのバージョン
記録されたキー入力内容
クリップボード内のデータ
スクリーンショット

収集した情報をリモートのコンピューターに送信しようとします。

その他の情報

このトロイの木馬は、リモートのコンピューターもしくはインターネットからデータや命令を受け取ります。

複数のURLを保持しています。通信にはHTTPプロトコルが使用されます。

次を実行します。

リモートのコンピューターもしくはインターネットからファイルをダウンロードする
実行ファイルを実行する
シェルコマンドを実行する
cookieを削除する
コンピューターをシャットダウン/再起動する
自身をアンインストールする

次のファイルにあるさまざまな情報を保持します。

%appdata%\%variable1%\%variable2%.ini
%appdata%\%variable1%\%variable2%.jpeg

%variable1-2%には可変の文字列が入ります。

デバッガやその他の解析ツールの存在を検出する能力を備えています。

実行先が特定の仮想環境内であることを検出すると、自身の実行を終了します。

ユーザー名が次のいずれかの場合は、直ちに終了します。

cuckoo
cwsx-
nmsdbox-
sandbox-
wilbert-sc
xpamast-sc
xxxx-ox-

名前に次の文字列のいずれかが含まれている自身のプロセス内または他の実行中のプロセス内のモジュールが読み込まれたことを検出すると、直ちに終了します。

SbieDll.dll
filemon.exe
netmon.exe
perl.exe
prl_cc.exe
prl_tools.exe
prl_tools_service.exe
procmon.exe
python.exe
regmon.exe
sandboxiedcomlaunch.exe
sandboxierpcss.exe
sharedintapp.exe
vboxservice.exe
vboxtray.exe
vmsrvc.exe
vmtoolsd.exe
vmusrvc.exe
vmwareservice.exe
vmwareuser.exe
wireshark.exe

次のWindows APIをフックして、入力データやメッセージを横取りします。

WSASend (ws2_32.dll)
GetMessageA (user32.dll)
GetMessageW (user32.dll)
PeekMessageA (user32.dll)
PeekMessageW (user32.dll)
SendMessageA (user32.dll)
SendMessageW (user32.dll)
HttpSendRequestA (wininet.dll)
HttpSendRequestW (wininet.dll)
InternetQueryOptionW (wininet.dll)