Win32/Floxif.H

公開日:2017年04月10日

危険度:1

定義名称 Win32/Floxif.H
シグネチャ検査による結果だった場合 Win32/Floxif.H
別名 Virus.Win32.Pioneer.cz(Kaspersky)、W32.Fixflo.B!inf(Symantec)、Win32.FloodFix.7(Dr.Web)、Virus:Win32/Floxif.H(Microsoft)
種別 ウイルス
アドバンスドヒューリスティック検査による結果だった場合 このオリジナルのトロイを利用した新種、亜種が検出された場合は、「NewHeur_PE」もしくは「Win32/Floxif.Hの亜種 ウイルス」という名称で警告が出ます。
対応時期 バージョン12204(20150904)以降
影響を受けるプラットフォーム Microsoft Windows
概要 このウイルスはファイルに感染します。詳しい活動内容については、下記をご参照ください。

検出した場合の対処方法

常駐監視を行っている各検査プログラムによって検出された場合は、駆除もしくは削除を行ってください。駆除もしくは削除ができない場合は、Windows のシステムの復元により修復しなければならない可能性があります。

対象のファイルが身に覚えのないファイル名の場合は、そのファイル自身がウイルスそのものである可能性が高いので、駆除ではなくすべて削除をしてください。これにより2次感染、3次感染を防げます。また、自分が作成したデータ等に感染していた場合は、駆除が可能な場合もありますが、駆除のボタンが押せない状態もしくは駆除しても失敗する場合は、すでに元のデータの戻せない状態までデータが書き換えられている場合もあります。この場合もすべて削除してください。

解説での表記(用語)について

以下の説明文では、環境変数を利用して各ファイルやディレクトリへのパスを表記しています。

例:
%windir% : Windowsオペレーティングシステムがインストールされたディレクトリのパス(インストール時の設定により異なる場合があります)。
%system% : %windir% のサブディレクトリである"System"や"System32"のパス。
%malwarefilepath% : マルウェアプログラムまでのパス。
%malwarefilename% : マルウェアプログラムまでのファイル名。

その他に関しては、以下のページも参考にしてください。
Microsoft Malware Protection Center - Malware help
Common Folder variables

解説

侵入(インストレーション)について

このウイルスは、実行時に次のファイルを作成します。

C:\Program Files\Common Files\System\symsrv.dll (69337 B, Win32/Floxif.E)

システムが起動するたびに実行されるよう、次のレジストリーエントリーを設定します。

[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Windows]
"AppInit_DLLs" = "C:\Program Files\Common Files\System\symsrv.dll"
"LoadAppInit_DLLs" = 1
"RequireSignedAppInit_DLLs" = 0

次のレジストリーエントリーを設定する場合があります。

[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced]
"ShowSuperHidden" = 0
[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Explorer]
"NoDriveTypeAutoRun" = 145
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\explorer\Advanced\Folder\SuperHidden]
"Type" = "radio"
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon]
"SFCDisable" = 4294967197

次のWindows APIをフックして、入力データやメッセージを横取りします。

CredReadW (advapi32.dll)
CreateServiceA (advapi32.dll)
CreateServiceW (advapi32.dll)
OpenServiceA (advapi32.dll)
OpenServiceW (advapi32.dll)
WinVerifyTrust (WINTRUST.dll)
CreateFileW (kernel32.dll)
ExitProcess (kernel32.dll)
RegOpenKeyExA (kernel32.dll)
RegOpenKeyExW (kernel32.dll)
CreateProcessInternalW (kernel32.dll)
MessageBoxTimeoutW (user32.dll)
KiUserExceptionDispatcher (ntdll.dll)
WahReferenceContextByHandle (ws2help.dll)

ファイル感染

このウイルスは、実行ファイルに感染します。

次の拡張子を持つファイルをローカルドライブで探します。

.dll
.ocx
.exe

フォルダー名が次の文字列のいずれかと一致した場合、フォルダー内のファイルには感染しません。

%windir%
股票

感染先のファイルは、本来のコードの前にウイルスが実行されるよう改ざんされます。

付加されるプログラムコードの大きさは78279バイトです。

その他の情報

このウイルスは、実行先が特定の仮想環境内であることを検出すると、自身の実行を終了します。

検出されないようにするため、一部のセキュリティソフトウェアの動作に干渉します。

2つのURLを保持しています。通信にはHTTPプロトコルが使用されます。

そのURLからいくつかのファイルをダウンロードしようとします。

ダウンロードしたファイルを次の場所に保存します。

%drive%\pagefile.pif
%drive%\autorun.inf
%temp%\update.exe
C:\Program Files\Common Files\System\symsrv.dll.000

次のファイルを実行します。

%temp%\update.exe

次のファイルを削除しようとします。

C:\Program Files\Common Files\System\symsrv.dll.dat
C:\DOCUME~1\ADMINI~1\LOCALS~1\Temp\A1D26E2\*.tmp