Win32/Filecoder.Crysis.B
公開日:2016年08月05日
危険度:1
定義名称 | Win32/Filecoder.Crysis.B |
---|---|
シグネチャ検査による結果だった場合 | Win32/Filecoder.Crysis.B |
別名 | Trojan-Ransom.Win32.PornoAsset.ctes(Kaspersky)、Ransom:Win32/Tescrypt.N(Microsoft)、Trojan.Encoder.3953(Dr.Web) |
種別 | トロイの木馬 |
アドバンスドヒューリスティック検査による結果だった場合 | このオリジナルのトロイを利用した新種、亜種が検出された場合は、「NewHeur_PE」もしくは「Win32/Filecoder.Crysis.Bの亜種 トロイの木馬」という名称で警告が出ます。 |
対応時期 | バージョン13057(20160219)以降 |
影響を受けるプラットフォーム | Microsoft Windows |
概要 | このトロイの木馬は、固定ドライブやリムーバブルドライブ、ネットワークドライブのファイルを暗号化します。ファイルを復号化するためのパスワードや手順と引き換えに、特定の条件に従うようユーザーに要求します。詳しい活動内容については、下記をご参照ください。 |
検出した場合の対処方法
常駐監視を行っている各検査プログラムによって検出された場合は、駆除もしくは削除を行ってください。駆除もしくは削除ができない場合は、Windows のシステムの復元により修復しなければならない可能性があります。
対象のファイルが身に覚えのないファイル名の場合は、そのファイル自身がウイルスそのものである可能性が高いので、駆除ではなくすべて削除をしてください。これにより2次感染、3次感染を防げます。また、自分が作成したデータ等に感染していた場合は、駆除が可能な場合もありますが、駆除のボタンが押せない状態もしくは駆除しても失敗する場合は、すでに元のデータの戻せない状態までデータが書き換えられている場合もあります。この場合もすべて削除してください。
解説での表記(用語)について
以下の説明文では、環境変数を利用して各ファイルやディレクトリへのパスを表記しています。
例:
%windir% : Windowsオペレーティングシステムがインストールされたディレクトリのパス(インストール時の設定により異なる場合があります)。
%system% : %windir% のサブディレクトリである"System"や"System32"のパス。
%malwarefilepath% : マルウェアプログラムまでのパス。
%malwarefilename% : マルウェアプログラムまでのファイル名。
その他に関しては、以下のページも参考にしてください。
Microsoft Malware Protection Center - Malware help
Common Folder variables
解説
侵入(インストレーション)について
このトロイの木馬は、実行時に自身を次の場所へコピーします。
%localappdata%\%originalmalwarefilename%.exe
%windir%\system32\%originalmalwarefilename%.exe
次のレジストリーエントリーを設定する場合があります。
[HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run]
"%originalmalwarefilename%" = "%installpath%\%originalmalwarefilename%.exe"
[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run]
"%originalmalwarefilename%" = "%installpath%\%originalmalwarefilename%.exe"
これにより、システムが起動するたびに実行されるようになります。
ペイロード情報
このトロイの木馬は、固定ドライブやリムーバブルドライブ、ネットワークドライブのファイルを暗号化します。
次の拡張子を持つファイルを探します。
*.*
c:\windows
.xtbl
次の名前のファイルは避けます。
boot.ini
explorer.exe
svchost.exe
%originalmalwarefilename%.exe
そのファイルのコンテンツを暗号化します。
.ID%variable%.%email_address%.xtblという拡張子が末尾に追加されます。
%variable%には可変の文字列が入ります。
暗号化にはRSAやAESのアルゴリズムが使用されます。
次のファイルが削除されます。
%userprofile%\Desktop\How to decrypt your files.txt
このトロイの木馬のファイルには次のテキストが記述されています。
DECRYPT FILES EMAIL %email_address1% or %email_address2%
ファイルを復号化するためのパスワードや手順と引き換えに、特定の条件に従うようユーザーに要求します。
情報の取得
このトロイの木馬は、次の情報を収集します。
コンピューター名
収集した情報をリモートのコンピューターに送信しようとします。
1つのURLを保持しています。通信にはHTTPプロトコルが使用されます。
その他の情報
このトロイの木馬は、次のコマンドを実行します。
mode con cp select=1251
vssadmin delete shadows /all /quiet
Exit
次のファイルを作成する場合があります。
%userprofile%\Documents\DECRYPT.jpg
このファイル/画像が壁紙として設定されます。
例を次に示します。