Win32/Filecoder.Crysis.P
公開日:2018年05月23日
危険度:1
定義名称 | Win32/Filecoder.Crysis.P |
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シグネチャ検査による結果だった場合 | Win32/Filecoder.Crysis.P |
別名 | Trojan-Ransom.Win32.Crusis.to(Kaspersky)、Trojan.Encoder.3953(Dr.Web)、Ransom:Win32/Wadhrama(Microsoft) |
種別 | トロイの木馬、ランサムウェア |
アドバンスドヒューリスティック検査による結果だった場合 | このオリジナルのトロイを利用した新種、亜種が検出された場合は、「NewHeur_PE」もしくは「Win32/Filecoder.Crysis.Pの亜種 トロイの木馬」という名称で警告が出ます。 |
対応時期 | バージョン16267(20171019)以降 |
影響を受けるプラットフォーム | Microsoft Windows |
概要 | このトロイの木馬は、固定ドライブやリムーバブルドライブ、ネットワークドライブのファイルを暗号化します。ファイルを復号化するためのパスワードや手順と引き換えに、特定の条件に従うようユーザーに要求します。詳しい活動内容については、下記をご参照ください。 |
検出した場合の対処方法
常駐監視を行っている各検査プログラムによって検出された場合は、駆除もしくは削除を行ってください。駆除もしくは削除ができない場合は、Windows のシステムの復元により修復しなければならない可能性があります。
対象のファイルが身に覚えのないファイル名の場合は、そのファイル自身がウイルスそのものである可能性が高いので、駆除ではなくすべて削除をしてください。これにより2次感染、3次感染を防げます。また、自分が作成したデータ等に感染していた場合は、駆除が可能な場合もありますが、駆除のボタンが押せない状態もしくは駆除しても失敗する場合は、すでに元のデータの戻せない状態までデータが書き換えられている場合もあります。この場合もすべて削除してください。
解説での表記(用語)について
以下の説明文では、環境変数を利用して各ファイルやディレクトリへのパスを表記しています。
例:
%windir% : Windowsオペレーティングシステムがインストールされたディレクトリのパス(インストール時の設定により異なる場合があります)。
%system% : %windir% のサブディレクトリである"System"や"System32"のパス。
%malwarefilepath% : マルウェアプログラムまでのパス。
%malwarefilename% : マルウェアプログラムまでのファイル名。
その他に関しては、以下のページも参考にしてください。
Microsoft Malware Protection Center - Malware help
Common Folder variables
解説
侵入(インストレーション)について
このトロイの木馬は、実行時に自身を次の場所にコピーします。
%windir%\system32\%originalmalwarefilename%
%userprofile%\appdata\roaming\microsoft\windows\start menu\programs\startup\%originalmalwarefilename%
%programdata%\microsoft\windows\start menu\programs\startup\%originalmalwarefilename%
次のレジストリーエントリーを設定する場合があります。
[HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run]
"%originalmalwarefilename%" = "%windir%\system32\%originalmalwarefilename%"
"%originalmalwarefilename%" = "%appdata%\%originalmalwarefilename%"
[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run]
"%originalmalwarefilename%" = "%windir%\system32\%originalmalwarefilename%"
"%originalmalwarefilename%" = "%appdata%\%originalmalwarefilename%"
これにより、システムが起動するたびに実行されるようになります。
ペイロード情報
このトロイの木馬は、固定ドライブやリムーバブルドライブ、ネットワークドライブのファイルを暗号化します。
次の拡張子を持つファイルを探します。
*.*
パスに次の文字列のいずれかが含まれているファイルは暗号化しません。
c:\windows
.arrow
次の名前のファイルは暗号化しません。
%originalmalwarefilename%
boot.ini
bootfont.bin
FILES_ENCRYPTED.txt
info.hta
io.sys
ntdetect.com
ntldr
目的のファイルを見つけたら、そのコンテンツを暗号化します。
".id-%variable%.[%emailaddress%].arrow"という拡張子が末尾に追加されます。
%variable%には可変の文字列が入ります。
暗号化にはRSAとAESのアルゴリズムが使用されます。
ファイルを復号化するためのパスワードや手順と引き換えに、特定の条件に従うようユーザーに要求します。
次のファイルをドロップします。
%desktop%\FILES ENCRYPTED.txt
%commondesktop%\FILES ENCRYPTED.txt
%drive%\FILES ENCRYPTED.txt
このファイルには次のテキストが記述されています。
all your data has been locked us You want to return? write email %emailaddress1% or %emailaddress2%
次のファイルをドロップします。
%appdata%\info.hta
%commonstartup%\info.hta
%startup%\info.hta
%windir%\system32\info.hta
次のコマンドを実行します。
mshta.exe %commonstartup%\info.hta
mshta.exe %startup%\info.hta
画面例を次に示します。
次のレジストリーエントリーを設定する場合があります。
[HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run]
"%appdata%\info.hta" = "mshta.exe\"%appdata%\info.hta\""
"%windir%\system32\info.hta" = "mshta.exe\"%windir%\system32\info.hta\""
[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run]
"%appdata%\info.hta" = "mshta.exe\"%appdata%\info.hta\""
"%windir%\system32\info.hta" = "mshta.exe\"%windir%\system32\info.hta\""
その他の情報
このトロイの木馬は、次のコマンドを実行します。
mode con cp select=1251
vssadmin delete shadows /all /quiet
exit
名前に次の文字列のいずれかが含まれているプロセスを終了させます。
1c8.exe
1cv77.exe
mysqld.exe
mysqld-nt.exe
outlook.exe
postgres.exe
sqlservr.exe
次のサービスを無効にします。
FirebirdGuardianDefaultInstance
FirebirdServerDefaultInstance
mssqlserver
sqlserveradhelper
sqlwriter