Win32/Diskcoder.Petya.D

公開日:2017年02月24日

危険度:1

定義名称 Win32/Diskcoder.Petya.D
シグネチャ検査による結果だった場合 Win32/Diskcoder.Petya.D
種別 トロイの木馬、ランサムウェア
アドバンスドヒューリスティック検査による結果だった場合 このオリジナルのトロイを利用した新種、亜種が検出された場合は、「NewHeur_PE」もしくは「Win32/Diskcoder.Petya.Dの亜種 トロイの木馬」という名称で警告が出ます。
対応時期 バージョン14560(20161206)以降
影響を受けるプラットフォーム Microsoft Windows
概要 このトロイの木馬は、固定ドライブやリムーバブルドライブ、ネットワークドライブのファイルを暗号化します。ファイルを復号化するためのパスワードや手順と引き換えに、特定の条件に従うようユーザーに要求します。詳しい活動内容については、下記をご参照ください。

検出した場合の対処方法

常駐監視を行っている各検査プログラムによって検出された場合は、駆除もしくは削除を行ってください。駆除もしくは削除ができない場合は、Windows のシステムの復元により修復しなければならない可能性があります。

対象のファイルが身に覚えのないファイル名の場合は、そのファイル自身がウイルスそのものである可能性が高いので、駆除ではなくすべて削除をしてください。これにより2次感染、3次感染を防げます。また、自分が作成したデータ等に感染していた場合は、駆除が可能な場合もありますが、駆除のボタンが押せない状態もしくは駆除しても失敗する場合は、すでに元のデータの戻せない状態までデータが書き換えられている場合もあります。この場合もすべて削除してください。

解説での表記(用語)について

以下の説明文では、環境変数を利用して各ファイルやディレクトリへのパスを表記しています。

例:
%windir% : Windowsオペレーティングシステムがインストールされたディレクトリのパス(インストール時の設定により異なる場合があります)。
%system% : %windir% のサブディレクトリである"System"や"System32"のパス。
%malwarefilepath% : マルウェアプログラムまでのパス。
%malwarefilename% : マルウェアプログラムまでのファイル名。

その他に関しては、以下のページも参考にしてください。
Microsoft Malware Protection Center - Malware help
Common Folder variables

解説

侵入(インストレーション)について

このトロイの木馬は、実行時に自身を次の場所にコピーします。

%appdata%\{%randomuuid%}\%variable%.exe

%randomuuid%と%variable%には可変の文字列が入ります。

このコピーを実行します。

次のファイルを作成します。

%temp%\%variable1%\%variable2%.dll
%systemroot%\system32\%variable3%\%variable4%.exe
%systemroot%\system32\%variable3%\%variable2%.dll

%variable1-4%には可変の文字列が入ります。

次のテキストファイルを作成する場合があります。

YOUR_FILES_ARE_ENCRYPTED.txt (778 B)

このファイルは次のフォルダーにもコピーされます。

%userprofile%
%userprofile%\Desktop\
%userprofile%\Downloads\
%userprofile%\Documents\
%public%
%remotedrive%
%removabledrive%

ハードディスクのMBR(マスターブートレコード)を自身のプログラムコードで置き換えます。

次のプロセスに自身のプログラムコードを挿入して新たなスレッドを作成、実行します。

explorer.exe

ペイロード情報

このトロイの木馬は、次の拡張子を持つファイルをローカルドライブやリムーバブルドライブ、ネットワークドライブで探します。

3dm
3ds
3fr
3g2
3ga
3gp
a2c
aa
aa3
aac
accdb
aepx
ai
aif
amr
ape
apnx
ari
arw
asf
asp
aspx
asx
avi
azw
azw1
azw3
azw4
bak
bat
bay
bin
bmp
camproj
cat
ccd
cdi
cdr
cer
cert
cfg
cgi
class
cmf
cnf
conf
config
cpp
cr2
crt
crw
crwl
cs
csv
cue
dash
dat
db
dbf
dcr
dcu
dds
default
der
dfm
directory
disc
dmg
dng
doc
docm
docx
dtd
dvd
dwg
dxf
eip
emf
eml
eps
epub
erf
fff
flv
frm
gfx
gif
gzip
h
htm
html
idl
iiq
indd
inf
iso
jar
java
jfif
jge
jpe
jpeg
jpg
js
json
jsp
k25
kdc
key
ldf
lit
localstorage
m3u
m4a
m4v
max
mdb
mdf
mef
mkv
mobi
mov
movie
mp1
mp2
mp3
mp4
mp4v
mpa
mpe
mpeg
mpg
mpv2
mrw
msg
mts
mui
myi
nef
nrg
nri
nrw
number
obj
odb
odc
odf
odm
odp
ods
odt
ogg
orf
ost
p12
p12
p7b
p7c
pages
pas
pbk
pdd
pdf
pef
pem
pfx
php
png
po
pps
ppt
pptm
pptx
prf
props
ps
psd
pspimage
pst
ptx
pub
py
qt
r3d
ra
raf
ram
rar
raw
result
rll
rm
rpf
rtf
rw2
rwl
sql
sqlite
sqllite
sr2
srf
srt
srw
svg
swf
tga
tiff
toast
ts
txt
vbs
vcd
vlc
vmdk
vmx
vob
wav
wb2
wdb
wma
wmv
wpd
wps
x3f
xlk
xls
xlsb
xlsm
xlsx
xml
xps
xsl
yml
yuv
zip

そのファイルのコンテンツを暗号化します。

暗号化にはAES-256のアルゴリズムが使用されます。

暗号化ファイルの拡張子は次のように変更されます。

%variableextension%

%variableextension%には可変の文字列が入ります。

ファイルを復号化するためのパスワードや手順と引き換えに、特定の条件に従うようユーザーに要求します。

ドライブ上の特定の領域を暗号化します。

暗号化にはSalsa20のアルゴリズムが使用されます。

自身を「chkdsk.exe」というアプリケーションに見せかけます。

次の偽のエラーメッセージを表示します。

画面例を次に示します。

その他の情報

このトロイの木馬は、リモートのコンピューターもしくはインターネットからデータや命令を受け取ります。

4つのURLを保持しています。通信にはHTTPプロトコルが使用されます。

ユーザーアカウント制御(UAC)をバイパスすることができます。

オペレーティングシステムを再起動させる場合があります。