Win32/Agent.RXL

公開日:2017年09月20日

危険度:1

定義名称 Win32/Agent.RXL
シグネチャ検査による結果だった場合 Win32/Agent.RXL
別名 Exploit.Win32.BypassUAC.dah(Kaspersky)、Trojan.PWS.Stealer.17779(Dr.Web)、Backdoor:Win32/Rescoms.A(Microsoft)
種別 トロイの木馬
アドバンスドヒューリスティック検査による結果だった場合 このオリジナルのトロイを利用した新種、亜種が検出された場合は、「NewHeur_PE」もしくは「Win32/Agent.RXLの亜種 トロイの木馬」という名称で警告が出ます。
対応時期 バージョン5477(20100924)以降
影響を受けるプラットフォーム Microsoft Windows
概要 これは、リモートからコントロール可能なバックドア型のトロイの木馬です。詳しい活動内容については、下記をご参照ください。

検出した場合の対処方法

常駐監視を行っている各検査プログラムによって検出された場合は、駆除もしくは削除を行ってください。駆除もしくは削除ができない場合は、Windows のシステムの復元により修復しなければならない可能性があります。

対象のファイルが身に覚えのないファイル名の場合は、そのファイル自身がウイルスそのものである可能性が高いので、駆除ではなくすべて削除をしてください。これにより2次感染、3次感染を防げます。また、自分が作成したデータ等に感染していた場合は、駆除が可能な場合もありますが、駆除のボタンが押せない状態もしくは駆除しても失敗する場合は、すでに元のデータの戻せない状態までデータが書き換えられている場合もあります。この場合もすべて削除してください。

解説での表記(用語)について

以下の説明文では、環境変数を利用して各ファイルやディレクトリへのパスを表記しています。

例:
%windir% : Windowsオペレーティングシステムがインストールされたディレクトリのパス(インストール時の設定により異なる場合があります)。
%system% : %windir% のサブディレクトリである"System"や"System32"のパス。
%malwarefilepath% : マルウェアプログラムまでのパス。
%malwarefilename% : マルウェアプログラムまでのファイル名。

その他に関しては、以下のページも参考にしてください。
Microsoft Malware Protection Center - Malware help
Common Folder variables

解説

侵入(インストレーション)について

このトロイの木馬は、実行時に自身を次の場所にコピーします。

%installfolder%\%variable1%\%variable2%

%installfolder%は次の文字列のいずれかになります。

%temp%\
%workingfolder%\
%systemdrive%\
%windir%\
%windir%\system32\
%windir%\SysWOW64\
%programfiles%
%appdata%
%userprofile%
%variable3%

%variable1-3%には可変の文字列が入ります。

次のレジストリーエントリーを設定する場合があります。

[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run]
"remcos" = "%malwarefilepath%"
[HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run]
"remcos" = "%malwarefilepath%"
[HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon]
"Shell" = "explorer.exe, %malwarefilepath%"
[HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon]
"Userinit" = "C:\WINDOWS\system32\userinit.exe, %malwarefilepath%"
[HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Explorer\Run]
"remcos" = "%malwarefilepath%"

これにより、システムが起動するたびに実行されるようになります。

次のプロセスを起動します。

%defaultbrowser%
%system%\svchost.exe
%windir%\SysWOW64\svchost.exe

この実行中のプロセスに自身のコードを挿入して新たなスレッドを作成、実行します。

実行中のプロセスに自身のプログラムコードを挿入して新たなスレッドを作成、実行する場合があります。

次のファイルを作成する場合があります。

%workingfolder%\lic.txt (32 B)
%temp%\install.bat

次のファイルを削除する場合があります。

%malwarefilepath%:Zone.Identifier

インストール終了後、元の実行ファイルを削除します。

情報の取得

このトロイの木馬は、さまざまな個人情報を収集します。

次の情報を収集します。

使用中のメモリ量
マルウェアのバージョン

Webカメラ内の動画/音声
スクリーンショット
コンピューター名
ユーザー名

ユーザーのキー入力内容を記録する機能を備えています。

感染先のコンピューターのカメラを使用して画像を撮影する場合があります。

収集した情報をリモートのコンピューターに送信しようとします。

その他の情報

このトロイの木馬は、リモートのコンピューターもしくはインターネットからデータや命令を受け取ります。

1つのURLを保持しています。通信にはTCPプロトコルが使用されます。

次を実行します。

リモートのコンピューターもしくはインターネットからファイルをダウンロードする
実行ファイルを実行する
収集した情報を送信する
ディスクデバイスとその種類の一覧をリモートのコンピューターに送信する
特定のドライブのファイルの一覧をリモートのコンピューターに送信する
要求されたファイルを送信する
ファイルの名前を変更する
ファイルを作成する
フォルダーを作成する
ファイルを削除する
特定のURLに接続する
シェルコマンドを実行する
実行中のプロセスの一覧をリモートのコンピューターに送信する
アプリケーションのウィンドウを操作する
ダイアログウィンドウを表示する
アプリケーションのウィンドウを表示する/非表示にする
実行中のプロセスを停止する
スクリーンショットを作成する
Webカメラから動画/音声を盗み出す
cookieを削除する
自身をアンインストールする
自身をバージョンアップする
ユーザーの入力(クリック、タップ)をシミュレートする

次のレジストリーキーにあるさまざまな情報を保持します。

[HKEY_CURRENT_USER\Software\%variable%]

%variable%には可変の文字列が入ります。

ユーザーアカウント制御(UAC)をバイパスすることができます。

感染したコンピューターにアクセスするための手段として使用される場合があります。