Win32/Ramnit.BX

公開日:2016年01月28日

危険度:3

定義名称 Win32/Ramnit.BX
シグネチャ検査による結果だった場合 Win32/Ramnit.BX
別名 Trojan:Win32/Ramnit.gen!A(Microsoft)、
Win32.Rmnet.16(Dr.Web)、Win32:RamnitPlugin-A(Avast)
種別 トロイの木馬
アドバンスドヒューリスティック検査による結果だった場合 このオリジナルのトロイを利用した新種、亜種が検出された場合は、「NewHeur_PE」もしくは 「Win32/Ramnit.BXの亜種 ウイルス」という名称で警告が出ます。
対応時期 バージョン12358(20151005)以降
影響を受けるプラットフォーム Microsoft Windows
概要 このウイルスは、悪意のあるWin32/Ramnitの拡張機能/プラグインです。通常は別のマルウェアの一部です。UPXを使用して実行ファイルが圧縮されています。詳しい活動内容については、下記をご参照ください。

検出した場合の対処方法

常駐監視を行っている各検査プログラムによって検出された場合は、駆除もしくは削除を行ってください。駆除もしくは削除ができない場合は、Windows のシステムの復元により修復しなければならない可能性があります。

対象のファイルが身に覚えのないファイル名の場合は、そのファイル自身がウイルスそのものである可能性が高いので、駆除ではなくすべて削除をしてください。これにより2次感染、3次感染を防げます。また、自分が作成したデータ等に感染していた場合は、駆除が可能な場合もありますが、駆除のボタンが押せない状態もしくは駆除しても失敗する場合は、すでに元のデータの戻せない状態までデータが書き換えられている場合もあります。この場合もすべて削除してください。

解説での表記(用語)について

以下の説明文では、環境変数を利用して各ファイルやディレクトリへのパスを表記しています。

例:
%windir% : Windowsオペレーティングシステムがインストールされたディレクトリのパス(インストール時の設定により異なる場合があります)。
%system% : %windir% のサブディレクトリである"System"や"System32"のパス。
%malwarefilepath% : マルウェアプログラムまでのパス。
%malwarefilename% : マルウェアプログラムまでのファイル名。

その他に関しては、以下のページも参考にしてください。
Microsoft Malware Protection Center - Malware help
Common Folder variables

解説

侵入(インストレーション)について

このウイルスは、自身のコピーを作成しません。

実行ファイルへの感染について

このウイルスは、実行ファイルに感染します。

感染する実行ファイルをローカルドライブで探します。

リモートのコンピューターの共有フォルダー内の実行ファイルも検索します。

次のいずれかの拡張子を持つ実行ファイルを探します。

.exe
.dll

フォルダー名が次の文字列と一致した場合、そのフォルダー内のファイルには感染しません。

c:\windows

感染するファイルを選ぶ際には、他にもいくつかの条件があります。

感染先のファイルには、ウイルス本体を含む新しいセクションが追加されます。

感染先のファイルは、本来のコードの前にウイルスが実行されるよう改ざんされます。

インターネットからダウンロードしたプログラムコードを使用してファイルに感染します。

情報の取得

このウイルスは、次の情報を収集します。

cookie
FTPアカウント情報
ユーザー名
OSのバージョン
言語設定

次のプログラムが影響を受けます。

Internet Explorer
Mozilla Firefox
Opera
Flash Player
Safari
Google Chrome
Far Manager
Total Commander
Windows Commander
WS_FTP
CuteFTP
FlashFXP
FileZilla
FTP Commander
BulletProof FTP
SmartFTP
TurboFTP
FFFTP
Core FTP
FTP Explorer
Frigate3
Web Site Publisher
Classic FTP
Fling FTP Software
SoftX FTP
Directory Opus
LeapFtp
WinSCP
32bit FTP
Ftp Control
NetDrive

収集した情報をリモートのコンピューターに送信する場合があります。

その他の情報

このトロイの木馬は、リモートのコンピューターもしくはインターネットからデータや命令を受け取ります。

TCP 23番ポートを開きます。

次を実行します。

ローカルのコンピューター上のファイルに感染する
リクエストされたファイルを送信する
ファイルの一覧をアップロードする
リモートのコンピューターもしくはインターネットからファイルをダウンロードする
実行ファイルを実行する

感染したコンピューターにアクセスするための手段として使用される場合があります。

次のWindows APIをフックして、入力データやメッセージを横取りします。

NtCreateUserProcess (ntdll.dll)
NtCreateThread (ntdll.dll)
OpenInputDesktop (user32.dll)
SwitchDesktop (user32.dll)
DefWindowProcW (user32.dll)
DefWindowProcA (user32.dll)
DefDlgProcW (user32.dll)
DefDlgProcA (user32.dll)
DefFrameProcW (user32.dll)
DefFrameProcA (user32.dll)
DefMDIChildProcW (user32.dll)
DefMDIChildProcA (user32.dll)
CallWindowProcW (user32.dll)
CallWindowProcA (user32.dll)
RegisterClassW (user32.dll)
RegisterClassA (user32.dll)
RegisterClassExW (user32.dll)
RegisterClassExA (user32.dll)
BeginPaint (user32.dll)
EndPaint (user32.dll)
GetDCEx (user32.dll)
GetDC (user32.dll)
GetWindowDC (user32.dll)
ReleaseDC (user32.dll)
GetUpdateRect (user32.dll)
GetUpdateRgn (user32.dll)
GetMessagePos (user32.dll)
GetCursorPos (user32.dll)
SetCursorPos (user32.dll)
SetCapture (user32.dll)
ReleaseCapture (user32.dll)
GetCapture (user32.dll)
GetMessageW (user32.dll)
GetMessageA (user32.dll)
PeekMessageW (user32.dll)
PeekMessageA (user32.dll)

次のレジストリーエントリーを設定する場合があります。

[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Adobe\Adobe ARM\1.0\ARM]
"iCheckReader" = 3
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\JavaSoft\Java Update\Policy]
"EnableJavaUpdate" = 1
"EnableAutoUpdateCheck" = 1
"NotifyDownload" = 0
"NotifyInstall" = 1

次のファイルにあるさまざまな情報を保持します。

%localappdata%\%variable1%.log
%localappdata%\%variable2%.log
%userprofile%\%variable2%.log
%homedrive%%hompath%\%variable1%.log

%variable1-2%には可変の文字列が入ります。