Win32/Filecoder.TeslaCrypt.A
公開日:2016年01月28日
危険度:2
定義名称 | Win32/Filecoder.TeslaCrypt.A |
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シグネチャ検査による結果だった場合 | Win32/Filecoder.TeslaCrypt.A |
別名 | Backdoor.Win32.Androm.glog(Kaspersky)、 Ransom:Win32/Tescrypt.A(Microsoft)、 FileCryptor.AMX.trojan(AVG) |
種別 | トロイの木馬 |
アドバンスドヒューリスティック検査による結果だった場合 | このオリジナルのトロイを利用した新種、亜種が検出された場合は、「NewHeur_PE」もしくは 「Win32/Filecoder.TeslaCrypt.Aの亜種 トロイの木馬」という名称で警告が出ます。 |
対応時期 | バージョン11123(20150204)以降 |
影響を受けるプラットフォーム | Microsoft Windows |
概要 | このトロイの木馬は、ローカルドライブのファイルを暗号化します。ファイルを復号化するため、情報の提供や電子決済サービスのBitcoin経由での入金をユーザーに要求します。詳しい活動内容については、下記をご参照ください。 |
検出した場合の対処方法
常駐監視を行っている各検査プログラムによって検出された場合は、駆除もしくは削除を行ってください。駆除もしくは削除ができない場合は、Windows のシステムの復元により修復しなければならない可能性があります。
対象のファイルが身に覚えのないファイル名の場合は、そのファイル自身がウイルスそのものである可能性が高いので、駆除ではなくすべて削除をしてください。これにより2次感染、3次感染を防げます。また、自分が作成したデータ等に感染していた場合は、駆除が可能な場合もありますが、駆除のボタンが押せない状態もしくは駆除しても失敗する場合は、すでに元のデータの戻せない状態までデータが書き換えられている場合もあります。この場合もすべて削除してください。
解説での表記(用語)について
以下の説明文では、環境変数を利用して各ファイルやディレクトリへのパスを表記しています。
例:
%windir% : Windowsオペレーティングシステムがインストールされたディレクトリのパス(インストール時の設定により異なる場合があります)。
%system% : %windir% のサブディレクトリである"System"や"System32"のパス。
%malwarefilepath% : マルウェアプログラムまでのパス。
%malwarefilename% : マルウェアプログラムまでのファイル名。
その他に関しては、以下のページも参考にしてください。
Microsoft Malware Protection Center - Malware help
Common Folder variables
解説
侵入(インストレーション)について
このトロイの木馬は、実行時に自身を次の場所にコピーします。
%appdata%\%variable%.exe
%variable%には可変の文字列が入ります。
このファイルを実行します。
元のファイルを削除します。
次のファイルを作成します。
%desktop%\Cryptolocker.lnk
このファイルは悪意のあるファイルへのショートカットです。
次のレジストリーエントリーを設定する場合があります。
[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run]
"svv_e" = "%appdata%\%variable%.exe"
[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\RunOnce]
"*svv_e" = "%appdata%\%variable%.exe"
[HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run]
"svv_e" = "%appdata%\%variable%.exe"
[HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\RunOnce]
"*svv_e" = "%appdata%\%variable%.exe"
これにより、システムが起動するたびに実行されるようになります。
次のファイルを作成します。
%appdata%\log.html
%appdata%\key.dat
%desktop%\HELP_TO_SAVE_YOUR_FILES.bmp
%desktop%\HELP_TO_SAVE_YOUR_FILES.txt
ペイロード情報
このトロイの木馬は、ローカルディスクのファイルを暗号化します。
次の拡張子を持つファイルをローカルドライブで探します。
*.3fr
*.7z
*.accdb
*.ai
*.apk
*.arch00
*.arw
*.asset
*.avi
*.bar
*.bay
*.bc6
*.bc7
*.big
*.bik
*.bkf
*.bkp
*.blob
*.bsa
*.cas
*.cdr
*.cer
*.cfr
*.cr2
*.crt
*.crw
*.css
*.csv
*.d3dbsp
*.das
*.dazip
*.db
*.db0
*.dbf
*.dcr
*.der
*.desc
*.dmp
*.dng
*.doc
*.docm
*.docx
*.dwg
*.dxg
*.epk
*.eps
*.erf
*.esm
*.ff
*.flv
*.forge
*.fos
*.fpk
*.fsh
*.gdb
*.gho
*.hkdb
*.hkx
*.hplg
*.hvpl
*.ibank
*.icxs
*.indd
*.itdb
*.itl
*.itm
*.iwd
*.iwi
*.jpe
*.jpeg
*.jpg
*.js
*.kdb
*.kdc
*.kf
*.layout
*.lbf
*.litemod
*.lrf
*.ltx
*.lvl
*.m2
*.m3u
*.m4a
*.map
*.mcmeta
*.mdb
*.mdbackup
*.mddata
*.mdf
*.mef
*.menu
*.mlx
*.mov
*.mp4
*.mpqge
*.mrwref
*.ncf
*.nrw
*.ntl
*.odb
*.odc
*.odm
*.odp
*.ods
*.odt
*.orf
*.p12
*.p7b
*.p7c
*.pak
*.pdd
*.pdf
*.pef
*.pem
*.pfx
*.pkpass
*.png
*.ppt
*.pptm
*.pptx
*.psd
*.psk
*.pst
*.ptx
*.py
*.qdf
*.qic
*.r3d
*.raf
*.rar
*.raw
*.rb
*.re4
*.rgss3a
*.rim
*.rofl
*.rtf
*.rw2
*.rwl
*.sav
*.sb
*.sid
*.sidd
*.sidn
*.sie
*.sis
*.slm
*.snx
*.sql
*.sr2
*.srf
*.srw
*.sum
*.svg
*.syncdb
*.t12
*.t13
*.tax
*.tor
*.txt
*.unity3d
*.upk
*.vcf
*.vdf
*.vfs0
*.vpk
*.vpp_pc
*.vtf
*.w3x
*.wb2
*.wma
*.wmo
*.wmv
*.wotreplay
*.wpd
*.wps
*.x3f
*.xf
*.xlk
*.xls
*.xlsb
*.xlsm
*.xlsx
*.xxx
*.zip
*.ztmp
パスに次の文字列のいずれかが含まれていないフォルダーのみが検索されます。
%programfiles%
%windir%
そのファイルのコンテンツを暗号化します。
暗号化にはAESのアルゴリズムが使用されます。
".ecc" という拡張子が末尾に追加されます。
ファイルを復号化するため、ユーザーに情報の提供や電子決済サービスのBitcoin経由での入金を要求します。
次のダイアログボックスを表示します。
画面例を次に示します。
情報の取得
このトロイの木馬は、次の情報を収集します。
OSのバージョン
ネットワークデバイスの外部IPアドレス
暗号化キー
収集した情報をリモートのコンピューターに送信しようとします。
6つのURLを保持しています。通信にはHTTPプロトコルが使用されます。
その他の情報
このトロイの木馬は、パスに次の文字列のいずれかが含まれているプロセスを終了させます。
taskmgr
procexp
regedit
msconfig
cmd.exe
次のレジストリーエントリーを設定します。
[HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop]
"Wallpaper" = "%desktop%\HELP_TO_SAVE_YOUR_FILES.bmp"
"WallpaperStyle" = 0
"TileWallpaper" = 0
次のコマンドを実行します。
vssadmin.exe delete shadows /all /Quiet