Win32/Dridex.M
公開日:2015年10月06日
危険度:2
定義名称 | Win32/Dridex.M |
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シグネチャ検査による結果だった場合 | Win32/Dridex.M |
別名 | Backdoor:Win32/Drixed.C(Microsoft)、 Trojan-Dridex(McAfee) |
種別 | トロイの木馬 |
アドバンスドヒューリスティック検査による結果だった場合 | このオリジナルのトロイを利用した新種、亜種が検出された場合は、「NewHeur_PE」もしくは「Win32/Dridex.Mの亜種 トロイの木馬」という名称で警告が出ます。 |
対応時期 | バージョン11386(20150327)以降 |
影響を受けるプラットフォーム | Microsoft Windows |
概要 | このトロイの木馬は個人情報を盗み出します。リモートからコントロールが可能です。通常は別のマルウェアの一部です。詳しい活動内容については、下記をご参照ください。 |
検出した場合の対処方法
常駐監視を行っている各検査プログラムによって検出された場合は、駆除もしくは削除を行ってください。駆除もしくは削除ができない場合は、Windows のシステムの復元により修復しなければならない可能性があります。
対象のファイルが身に覚えのないファイル名の場合は、そのファイル自身がウイルスそのものである可能性が高いので、駆除ではなくすべて削除をしてください。これにより2次感染、3次感染を防げます。また、自分が作成したデータ等に感染していた場合は、駆除が可能な場合もありますが、駆除のボタンが押せない状態もしくは駆除しても失敗する場合は、すでに元のデータの戻せない状態までデータが書き換えられている場合もあります。この場合もすべて削除してください。
解説での表記(用語)について
以下の説明文では、環境変数を利用して各ファイルやディレクトリへのパスを表記しています。
例:
%windir% : Windowsオペレーティングシステムがインストールされたディレクトリのパス(インストール時の設定により異なる場合があります)。
%system% : %windir% のサブディレクトリである"System"や"System32"のパス。
%malwarefilepath% : マルウェアプログラムまでのパス。
%malwarefilename% : マルウェアプログラムまでのファイル名。
その他に関しては、以下のページも参考にしてください。
Microsoft Malware Protection Center - Malware help
Common Folder variables
解説
侵入(インストレーション)について
このトロイの木馬は、実行時に自身を次の場所にコピーします。
%appdata%\%variable1%.tmp
システムが起動するたびに実行されるよう、次のレジストリーエントリーを登録します。
[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run]
"%variable2%" = "rundll32.exe %appdata%\%variable1%.tmp %variable3%"
%variable1-3%には可変の文字列が入ります。
次のプロセスに自身のプログラムコードを挿入して新たなスレッドを作成、実行します。
chrome.exe
firefox.exe
iexplore.exe
explorer.exe/p>
実行中のプロセスに自身のプログラムコードを挿入して新たなスレッドを作成、実行する場合があります。
Windowsファイアウォールに例外を設定して、遮断されないようにします。
情報の取得
このトロイの木馬は、次の情報を収集します。
Internet Explorerのバージョン
OSのバージョン
OSとシステム設定に関する情報
コンピューター名
ハードウェアの情報
CPUの情報
メモリのステータス
ネットワークアダプター情報
コンピューターのIPアドレス
cookie
電子証明書
特定のサイトへのアクセスに使用された情報を収集します。
ユーザーのキー入力内容を記録する機能を備えています。
収集した情報をリモートのコンピューターに送信しようとします。
その他の情報
このトロイの木馬は、リモートのコンピューターもしくはインターネットからデータや命令を受け取ります。
通信にはP2Pネットワークを使用します。
一部のTCPポートを開きます。
次を実行します。
リモートのコンピューターもしくはインターネットからファイルをダウンロードする
実行ファイルを実行する
自身をバージョンアップする
自身をアンインストールする
収集した情報を送信する
特定のドライブに保存されているファイルの一覧をリモートのコンピューターに送信する
cookieを削除する
レジストリーエントリーを登録する
ネットワークトラフィックを改ざんする
ネットワークトラフィックをリダイレクトする
Webサイトのコンテンツを改ざんする
次のアプリケーションの動作に影響を及ぼします。
Trusteer Rapport
次のレジストリーキーにあるさまざまな情報を保持します。
[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\CLSID\{%variable1%}\ShellFolder]
[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\CLSID\{%variable2%}\ShellFolder]
[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\CLSID\{%variable3%}\ShellFolder]
[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\CLSID\{%variable4%}\ShellFolder]
[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\CLSID\{%variable5%}\ShellFolder]
[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\CLSID\{%variable6%}\ShellFolder]
[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\CLSID\{%variable7%}\ShellFolder]
[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\CLSID\{%variable8%}\ShellFolder]
[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\CLSID\{%variable9%}\ShellFolder]
[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\CLSID\{%variable10%}\ShellFolder]
次のファイルを作成する場合があります。
%localappdata%\Low\%variable11%.sdb
%localappdata%\Low\%variable12%.bat
次のコマンドを実行する場合があります。
netsh advfirewall firewall add rule name="Core Networking - Multicast Listener Done (ICMPv4-In)" program="%windir%\explorer.exe" dir=in action=allow protocol=TCP localport=any
%localappdata%\Low\%variable12%.bat
sdbinst.exe /q %localappdata%\Low\%variable11%.sdb
%system%\iscsicli.exe
%variable1-12%には可変の文字列が入ります。
次のWindows APIをフックして、入力データやメッセージを横取りします。
GetProcAddress (kernel32.dll)
InternetSetStatusCallbackA (wininet.dll)
InternetSetStatusCallbackW (wininet.dll)
InternetOpenA (wininet.dll)
InternetOpenW (wininet.dll)
InternetConnectA (wininet.dll)
InternetConnectW (wininet.dll)
HttpOpenRequestA (wininet.dll)
HttpOpenRequestW (wininet.dll)
HttpSendRequestA (wininet.dll)
HttpSendRequestW (wininet.dll)
InternetQueryOptionA (wininet.dll)
InternetQueryOptionW (wininet.dll)
InternetSetOptionA (wininet.dll)
HttpQueryInfoA (wininet.dll)
HttpQueryInfoW (wininet.dll)
InternetQueryDataAvailable (wininet.dll)
InternetReadFile (wininet.dll)
InternetReadFileExA (wininet.dll)
InternetReadFileExW (wininet.dll)
InternetCloseHandle (wininet.dll)
TranslateMessage (user32.dll)
WSAEventSelect (ws2_32.dll)
WSAEnumNetworkEvents (ws2_32.dll)
send (ws2_32.dll)
WSASend (ws2_32.dll)
recv (ws2_32.dll)
WSARecv (ws2_32.dll)
closesocket (ws2_32.dll)
WSAGetOverlappedResult (ws2_32.dll)
PR_Read (nss3.dll)
PR_Write (nss3.dll)
PR_Close (nss3.dll)
GetClipboardData (user32.dll)
CryptGetUserKey (advapi32.dll)