MSIL/Autorun.Spy.Agent.AU

公開日:2016年07月01日

危険度:2

定義名称 MSIL/Autorun.Spy.Agent.AU
シグネチャ検査による結果だった場合 MSIL/Autorun.Spy.Agent.AU
種別 ワーム
アドバンスドヒューリスティック検査による結果だった場合 このオリジナルのトロイを利用した新種、亜種が検出された場合は、「NewHeur_PE」もしくは「MSIL/Autorun.Spy.Agent.AUの亜種 ワーム」という名称で警告が出ます。
対応時期 バージョン9404(20140108)以降
影響を受けるプラットフォーム Microsoft Windows
概要 このワームは、パスワードなどの個人情報を盗み出してリモートのコンピューターに送信しようとします。詳しい活動内容については、下記をご参照ください。

検出した場合の対処方法

常駐監視を行っている各検査プログラムによって検出された場合は、駆除もしくは削除を行ってください。駆除もしくは削除ができない場合は、Windows のシステムの復元により修復しなければならない可能性があります。

対象のファイルが身に覚えのないファイル名の場合は、そのファイル自身がウイルスそのものである可能性が高いので、駆除ではなくすべて削除をしてください。これにより2次感染、3次感染を防げます。また、自分が作成したデータ等に感染していた場合は、駆除が可能な場合もありますが、駆除のボタンが押せない状態もしくは駆除しても失敗する場合は、すでに元のデータの戻せない状態までデータが書き換えられている場合もあります。この場合もすべて削除してください。

解説での表記(用語)について

以下の説明文では、環境変数を利用して各ファイルやディレクトリへのパスを表記しています。

例:
%windir% : Windowsオペレーティングシステムがインストールされたディレクトリのパス(インストール時の設定により異なる場合があります)。
%system% : %windir% のサブディレクトリである"System"や"System32"のパス。
%malwarefilepath% : マルウェアプログラムまでのパス。
%malwarefilename% : マルウェアプログラムまでのファイル名。

その他に関しては、以下のページも参考にしてください。
Microsoft Malware Protection Center - Malware help
Common Folder variables

解説

侵入(インストレーション)について

このワームは、実行時に自身を次の場所へコピーします。

%appdata%\%variable1%\%variable2%
%localappdata%\%variable1%\%variable2%
%personal%\%variable1%\%variable2%
%temp%\%variable1%\%variable2%
%appdata%\%variable3%

次のレジストリーエントリーを設定する場合があります。

[HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run]
"%variable4%" = "%malwarefilepath%"

これにより、システムが起動するたびに実行されるようになります。

Windowsのタスク(タスクスケジューラ)に、ユーザーのログイン時に次のファイルが実行されるよう登録します。

%malwarefilepath%

次のファイルを作成する場合があります。

%temp%\EBFile_%variable5%
%temp%\BFile_%variable6%
%temp%\%variable7%
%workingfolder%\%variable7%

%variable1-7%には可変の文字列が入ります。

このファイルを実行します。

次のプロセスを起動します。

%malwarefilepath%
%windir%\Microsoft.NET\Framework\v2.0.50727\RegSvcs.exe
%windir%\Microsoft.NET\Framework\v4.0.30319\RegSvcs.exe
%windir%\System32\svchost.exe
%defaultbrowser%
%windir%\System32\notepad.exe

これらの実行中のプロセスに自身のコードを挿入して新たなスレッドを作成、実行します。

実行先が特定の仮想環境内であることを検出すると、自身の実行を終了します。

インストール終了後、元の実行ファイルを削除します。

リムーバブルメディアへの感染について

このワームは、リムーバブルメディアを介して感染を広げる場合があります。

次の名前を使用してリムーバブルドライブのルートフォルダーに自身をコピーします。

Sys.exe

次のファイルが同じフォルダー内に作成されます。

autorun.inf

このファイルには、マルウェアの実行ファイルへのパスが記述されています。

これにより、感染メディアがコンピューターに挿入されるたびにワームが実行されるようになります。

情報の取得

このワームは、次の情報を収集します。

特定のアプリケーション/サービスのログインユーザー名
特定のアプリケーション/サービスのログインパスワード
OSのバージョン
言語設定
インストールされているファイアウォールアプリケーション
インストールされているアンチウイルスソフトウェア

次のプログラムが影響を受けます。

Eudora
Gmail Notifier
Google Chrome
Google Desktop
Google Talk
Group Mail Free
Hotmail
IncrediMail
Internet Explorer
Live Messenger application.
Microsoft Outlook
Minecraft
Mozilla Firefox
Mozilla Thunderbird
MSN Messenger
Netscape
Opera
Outlook Express
Safari
Windows Live Mail
Windows Mail
Windows Messenger
Yahoo! Mail

ユーザーのキー入力内容を記録する機能を備えています。

収集した情報をリモートのコンピューターに送信しようとします。

通信にはFTPプロトコル、HTTPプロトコル、または電子メールが使用されます。

その他の情報

このワームは、次を実行します。

リモートのコンピューターもしくはインターネットからファイルをダウンロードする
実行ファイルを実行する
ダイアログウィンドウを表示する
特定のURLに接続する
特定のWebサイトへのアクセスを遮断する
cookieを削除する

設定は次のファイルに保存されます。

%malwarefilepath%

次のプロセスを停止させる場合があります。

Taskmgr.exe
cmd.exe
msconfig.exe
regedit.exe
Steam.exe

次のレジストリーエントリーを設定する場合があります。

[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced]
"Hidden" = 1

次のファイルにあるさまざまな情報を保持します。

%temp%\SysInfo.txt
%appdata%\pid.txt
%appdata%\pidloc.txt

次のファイルを改ざんする場合があります。

%system%\drivers\etc\hosts

次のファイルを削除する場合があります。

%programfiles%\Steam\config
%programfiles%\Steam\SteamAppData.vdf
%programfiles%\Steam\ClientRegistry.blob

このワームが動作するには、Microsoft .NET Frameworkが起動している必要があります。