JS/Filecoder.RAA.A
公開日:2016年09月05日
危険度:1
定義名称 | JS/Filecoder.RAA.A |
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シグネチャ検査による結果だった場合 | JS/Filecoder.RAA.A |
別名 | Trojan-Ransom.JS.RaaCrypt.b(Kaspersky)、Ransom:JS/CryptoRaa.A(Microsoft) |
種別 | トロイの木馬、ランサムウェア |
アドバンスドヒューリスティック検査による結果だった場合 | このオリジナルのトロイを利用した新種、亜種が検出された場合は、「NewHeur_PE」もしくは「JS/Filecoder.RAA.Aの亜種 トロイの木馬」という名称で警告が出ます。 |
対応時期 | バージョン13697(20160623)以降 |
影響を受けるプラットフォーム | Microsoft Windows |
概要 | このトロイの木馬は、固定ドライブやリムーバブルドライブ、ネットワークドライブのファイルを暗号化します。ファイルを復号化するためとして、ユーザーに情報の提供や電子決済サービスのBitcoin経由での入金を要求します。詳しい活動内容については、下記をご参照ください。 |
検出した場合の対処方法
常駐監視を行っている各検査プログラムによって検出された場合は、駆除もしくは削除を行ってください。駆除もしくは削除ができない場合は、Windows のシステムの復元により修復しなければならない可能性があります。
対象のファイルが身に覚えのないファイル名の場合は、そのファイル自身がウイルスそのものである可能性が高いので、駆除ではなくすべて削除をしてください。これにより2次感染、3次感染を防げます。また、自分が作成したデータ等に感染していた場合は、駆除が可能な場合もありますが、駆除のボタンが押せない状態もしくは駆除しても失敗する場合は、すでに元のデータの戻せない状態までデータが書き換えられている場合もあります。この場合もすべて削除してください。
解説での表記(用語)について
以下の説明文では、環境変数を利用して各ファイルやディレクトリへのパスを表記しています。
例:
%windir% : Windowsオペレーティングシステムがインストールされたディレクトリのパス(インストール時の設定により異なる場合があります)。
%system% : %windir% のサブディレクトリである"System"や"System32"のパス。
%malwarefilepath% : マルウェアプログラムまでのパス。
%malwarefilename% : マルウェアプログラムまでのファイル名。
その他に関しては、以下のページも参考にしてください。
Microsoft Malware Protection Center - Malware help
Common Folder variables
解説
侵入(インストレーション)について
このトロイの木馬は、自身のコピーを作成しません。
次のファイルを%mydocuments%フォルダー内に作成します。
st.exe (138752 B, Win32/PSW.Fareit.A)
このファイルを実行します。
システムが起動するたびに実行されるよう、次のレジストリーエントリーを設定します。
[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run]
"(Default)" = "%malwarefilepath% argument"
ペイロード情報
このトロイの木馬は、次のレジストリーエントリーを削除する場合があります。
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\services\VSS\*]
固定ドライブやリムーバブルドライブ、ネットワークドライブのファイルを暗号化します。
ファイル名に次の文字列のいずれかが含まれているファイルを探します。
.doc
.xls
.rtf
.pdf
.dbf
.jpg
.dwg
.cdr
.psd
.cd
.mdb
.png
.lcdv
.zip
.rar
csv
名前に次の文字列のいずれかが含まれるファイルは避けます。
.locked
~
$
パスに次の文字列のいずれかが含まれているファイルは避けます。
WINDOWS
RECYCLER
Program Files
Program Files (x86)
Windows
Recycle.Bin
RECYCLE.BIN
Recycler
TEMP
APPDATA
AppData
Temp
ProgramData
Microsoft
そのファイルのコンテンツを暗号化します。
暗号化にはAESのアルゴリズムが使用されます。
感染ファイルの拡張子は次のように変更されます。
.locked
ファイルを復号化するためとして、ユーザーに情報の提供や電子決済サービスのBitcoin経由での入金を要求します。
アクセス可能なすべてのドライブのルートフォルダーに!!!README!!!"%variable%.rtfというファイルをドロップします。
%variable%には可変の文字列が入ります。
次のレジストリーエントリーを設定する場合があります。
[HKEY_CURRENT_USER\RAA\Raa-fnl]
"(Default)" = "beenFinished"
情報の取得
このトロイの木馬は、次の情報を収集します。
感染したコンピューターの固有ID
収集した情報をリモートのコンピューターに送信しようとします。
1つのURLを保持しています。通信にはHTTPプロトコルが使用されます。
その他の情報
このトロイの木馬は、次のファイルを%mydocuments%フォルダー内に作成します。
doc_attached_%variable% (12796 B)
%variable%には可変の文字列が入ります。
"wordpad.exe"アプリケーションを使用してこのファイルを開きます。
次のファイルのコピー(コピー元、コピー先)を作成します。
C:\!!!README!!!"%variable%.rtf, %desktop%\!!!README!!!"%variable%.rtf
%variable%には可変の文字列が入ります。
"wordpad.exe"アプリケーションを使用してこのファイルを開きます。