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ウイルス情報  
最新ウイルス定義ファイルバージョン : 12381
(2015/10/09 17:02)

最新ウイルス情報 : Win32/Trustezeb.A
公開日:2012年6月22日
このウイルスに関する危険度 :■■■□□

定義名称 Win32/Trustezeb.A
シグネチャ検査による結果だった場合 Win32/Trustezeb.A
別名 Trojan:Win32/Matsnu(Microsoft)、Trojan.Ransomlock.P(Symantec)、Trojan.Injector.ADI(Bitdefender)
種別 トロイの木馬
アドバンスドヒューリスティック検査による結果だった場合 このオリジナルのトロイを利用した新種、亜種が検出された場合は、「NewHeur_PE」もしくは「Win32/Trustezeb.A トロイの木馬の亜種」という名称で警告が出ます。
対応時期 バージョン6875(20120210)以降
影響を受けるプラットフォーム Microsoft Windows
概要 このトロイの木馬はローカルドライブのファイルを暗号化します。ファイルを復号化するためのパスワードや手順と引き換えに、特定の条件に従うようユーザーに要求します。UPXを使用して実行ファイルが圧縮されています。詳しい活動内容については、解説欄をご参照ください。

復号化ツールはこちらからダウンロードできます。

検出した場合の対処方法

常駐監視を行っている各検査プログラムによって検出された場合は、駆除もしくは削除を行ってください。駆除もしくは削除ができない場合は、Windowsのシステムの復元により修復しなければならない可能性があります。

対象のファイルが身に覚えのないファイル名の場合は、そのファイル自身がウイルスそのものである可能性が高いので、駆除ではなくすべて削除をしてください。これにより2次感染、3次感染を防げます。また、自分が作成したデータ等に感染していた場合は、駆除が可能な場合もありますが、駆除のボタンが押せない状態もしくは駆除しても失敗する場合は、すでに元のデータの戻せない状態までデータが書き換えられている場合もあります。この場合もすべて削除してください。

解説での表記(用語)について

以下の説明文では、Windowsオペレーティングシステムがインストールされたディレクトリを%windir%と表記しており、インストール時の設定により異なる場合があります。%windir%のサブディレクトリである"System"や"System32"は%system%と表記しています。
%appdata%は、マイドキュメント以下のApplication Dataディレクトリを表記しています。
%programfiles%は、プログラムファイルディレクトリを表記しています。
%temp%はWindowsオペレーティングシステムのテンポラリディレクトリを表記しています。
%userprofile%は、ユーザーのマイドキュメントディレクトリを表記しています。

解説


■侵入(インストレーション)について
このトロイの木馬は、実行時に自身を次の場所へコピーします。

%system%\%variable1%.exe
%appdata%\%variable2%\%variable3%.exe
%appdata%\Realtec\Realtecdriver.exe
%temp%\%variable4%.pre
%temp%\%variable5%.exe


%variable1-5%には可変の文字列が入ります。

次のファイルを作成します。

%programfiles%\Trusteer\Rapport\bin\RapportService.exe
(18944 B)
%system%\RPService.exe (18944 B)


システムが起動するたびに実行されるよう、次のレジストリーエントリーを登録します。

[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\
Winlogon]
"userinit" =
"%system%\userinit.exe,%system%\%variable1%.exe"
[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\
Windows]
"Load" = "%temp%\%variable5%.exe,"


次のレジストリーを登録します。

[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\.eze]
"(Default)" = "MyEze.1"
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\MyEze.1\shell\open\
command]
"(Default)" = "%System%\RPService.exe %0 %1 %2"
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\
Image File Execution Options\RapportMgmtService.exe]
"Debugger" = "RPService.exe"
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\
Image File Execution Options\RapportService.exe]
"Debugger" = "RPService.exe"
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\
Image File Execution Options\RapportSetup-Full.exe]
"Debugger" = "RPXService.exe"
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\
Image File Execution Options\RapportSetup.exe]
"Debugger" = "RPXService.exe"
[HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\
Policies\System]
"DisableTaskMgr" = 1
"DisableRegedit" = 1
"DisableRegistryTools" = 1
[HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\
Image File Execution Options\taskmgr.exe]
"Debugger" = "P9KDMF.EXE"
[HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\
Image File Execution Options\msconfig.exe]
"Debugger" = "P9KDMF.EXE"
[HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\
Image File Execution Options\regedit.exe]
"Debugger" = "P9KDMF.EXE"


次のレジストリーを登録する場合があります。

[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\
Run]
"%diskserialnumber%" =
"%appdata%\%variable2%\%variable3%.exe"
"Realtecdriver" = "%appdata%\Realtec\Realtecdriver.exe"


次のレジストリーを削除します。

[HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\
SafeBoot]


次のプロセスに自身のプログラムコードを挿入して新たなスレッドを作成、実行します。

svchost.exe


インストール終了後、元の実行ファイルを削除します。

■ペイロード情報
このトロイの木馬はローカルドライブのファイルを暗号化します。

次の拡張子を持つファイルをローカルドライブで探します。

*.*


パスに次の文字列のいずれかが含まれているファイルは避けます。

%windir%
%userprofile%
%volumeserialnumber%
Program
Application
temp
tmp
Recycled
$
cache
Cookies
Desk.$00
.sys
.lnk
.com
.bin
.ini
.sys
.dat
.bat
.pif
.inf
ntldr
ntdetect
bootmgr
osloader
winload
pagefile
winsh


対象のファイルを見つけると、そのファイルを複製します。

新しく作成されたファイルの名前と拡張子は、元のファイルと同じになります。

"locked-"という文字列が先頭に追加されます。"%variable%"という拡張子が末尾に追加されます。

%variable%には可変の文字列が入ります。

そのファイルのコンテンツを暗号化します。

元のファイルを削除します。

次のダイアログボックスを表示します。



ファイルを復号化するためのパスワードや手順と引き換えに、特定の条件に従うようユーザーに要求します。

■情報の取得
このトロイの木馬は、次の情報を収集します。

ディスクのシリアルナンバー(スペースなし)
暗号化ファイルのパス


収集した情報をリモートのコンピューターに送信しようとします。

■その他の情報
このトロイの木馬は、特定の仮想環境内で実行されていることを確認すると、自身の活動を終了します。

次のメッセージを表示する場合があります。



リモートのコンピューターもしくはインターネットからデータや命令を受け取ります。

通信には、HTTP、HTTPS、およびFTPプロトコルが使用されます。4つのURLを保持しています。

次の命令を実行する場合があります。

自身をバージョンアップする
オペレーティングシステムの起動時のロックを設定/解除する
リモートのコンピューターもしくはインターネットからファイルをダウンロードする
実行ファイルを実行する
選択したファイルを暗号化する
選択したファイルを復号化する
フォルダーを削除する
ファイルを削除する


次の命令を実行する場合があります。

extrac32.exe /A /E /Y "%system%\%variable%.cab" /L
"%system%"


オペレーティングシステムを再起動させる場合があります。

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