キヤノンITソリューションズ株式会社 閉じる

ウイルス情報  
最新ウイルス定義ファイルバージョン : 12381
(2015/10/09 17:02)

最新ウイルス情報 : Win32/Spy.Shiz.NCP
公開日:2015年7月10日
このウイルスに関する危険度 :■□□□□

定義名称 Win32/Spy.Shiz.NCP
シグネチャ検査による結果だった場合 Win32/Spy.Shiz.NCP
別名 Trojan:Win32/Beaugrit.gen!AAA(Microsoft)
種別 トロイの木馬
アドバンスドヒューリスティック検査による結果だった場合 このオリジナルのトロイを利用した新種、亜種が検出された場合は、「NewHeur_PE」もしくは「Win32/Spy.Shiz.NCPの亜種 トロイの木馬」という名称で警告が出ます。
対応時期 バージョン11268(20150304)以降
影響を受けるプラットフォーム Microsoft Windows
概要 このトロイの木馬は、パスワードなどの個人情報を盗み出します。リモートからコントロールが可能です。詳しい活動内容については、下記をご参照ください。


検出した場合の対処方法

常駐監視を行っている各検査プログラムによって検出された場合は、駆除もしくは削除を行ってください。駆除もしくは削除ができない場合は、Windows のシステムの復元により修復しなければならない可能性があります。

対象のファイルが身に覚えのないファイル名の場合は、そのファイル自身がウイルスそのものである可能性が高いので、駆除ではなくすべて削除をしてください。これにより2次感染、3次感染を防げます。また、自分が作成したデータ等に感染していた場合は、駆除が可能な場合もありますが、駆除のボタンが押せない状態もしくは駆除しても失敗する場合は、すでに元のデータの戻せない状態までデータが書き換えられている場合もあります。この場合もすべて削除してください。

解説での表記(用語)について

以下の説明文では、環境変数を利用して各ファイルやディレクトリへのパスを表記しています。
例:
%windir% : Windowsオペレーティングシステムがインストールされたディレクトリのパス(インストール時の設定により異なる場合があります)。
%system% : %windir% のサブディレクトリである"System"や"System32"のパス。
%malwarefilepath% : マルウェアプログラムまでのパス。
%malwarefilename% : マルウェアプログラムまでのファイル名。

その他に関しては、以下のページも参考にしてください。
Microsoft Malware Protection Center - Malware help
Common Folder variables

解説


■侵入(インストレーション)について
このトロイの木馬は、実行時に自身を次の場所にコピーします。

%commonappdata%\%variable1%.exe


システムが起動するたびに実行されるよう、次のレジストリーエントリーを登録します。

[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run]
"IntelPowerAgent32" = "rundll32.exe shell32.dll, ShellExec_RunDLL %commonappdata%\%variable1%.exe"


インストール終了後、元の実行ファイルを削除します。

次のレジストリーエントリーを設定する場合があります。

[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows]
"%variable2%" = %binaryvalue%


デバッガ内で実行されている場合は、直ちに自身を終了します。

特定の仮想環境内で実行されていることを確認すると、自身の実行を終了します。

実行ファイルの名前が次のいずれかである場合は、直ちに自身を終了します。

malware.exe
sample.exe
test.exe


実行中のプロセスの名前に次の文字列のいずれかが含まれている場合は、直ちに自身を終了します。

apispy.exe
autoruns.exe
autorunsc.exe
dumpcap.exe
emul.exe
fortitracer.exe
hookanaapp.exe
hookexplorer.exe
idag.exe
idaq.exe
importrec.exe
imul.exe
joeboxcontrol.exe
joeboxserver.exe
multi_pot.exe
ollydbg.exe
peid.exe
petools.exe
proc_analyzer.exe
procexp.exe
procmon.exe
regmon.exe
scktool.exe
sniff_hit.exe
sysanalyzer.exe
vboxservice.exe
vboxtray.exe
vmsrvc.exe
vmtoolsd.exe
vmusrvc.exe
vmwaretray.exe
vmwareuser.exe
wireshark.exe
xenservice.exe


次のアプリケーションが検出された場合は、直ちに自身を終了します。

Sandboxie


次のプログラムを終了させます。

python.exe
pythonw.exe
perl.exe
autoit3.exe


実行中のすべてのプロセスに自身のプログラムコードを挿入して新たなスレッドを作成、実行します。

SharedAccessに例外を設定して、遮断されないようにします。

次のファイルを作成する場合があります。

%appdata%\%variable3%
%appdata%\%variable4%
%localsettings%\Application Data\Temp\Low\%variable5%\cmdline.txt
%localsettings%\Application Data\Temp\Low\%variable5%\keylog.txt
%localsettings%\Application Data\Temp\Low\%variable5%\vkeys\%variable6%.jpg
%temp%\%variable7%.tmp (604 B)
%temp%\%variable8%.bat
%temp%\%variable9%.dat
%temp%\%variable10%.tmp


次のコマンドを実行する場合があります。

%windir%\system32\sdbinst.exe
%windir%\system32\sdbinst.exe "%temp%\%variable7%.tmp" -q
%windir%\system32\sndvol.exe /c start "%malwarefilepath%" -d
%system%\cmd.exe /c "%windir%\SysWOW64\SysSndVol.exe /c" start "%malwarefilepath%" -d
%windir%\system32\sdbinst.exe "%temp%\%variable7%.tmp" -u


%variable1-10%には可変の文字列が入ります。

■情報の取得
このトロイの木馬は、次の情報を収集します。

ユーザー名
コンピューター名
OSのバージョン
実行中のプロセスの一覧
インストールされているアンチウイルスソフトウェア
スクリーンショット
特定のアプリケーション/サービスのログインユーザー名
特定のアプリケーション/サービスのログインパスワード
電子証明書
Bitcoinウォレットのコンテンツ
アクセスしたURL
クリップボード内のデータ


ユーザーが特定のWebサイトを閲覧中に個人情報を収集します。

ユーザーのキー入力内容を記録する機能を備えています。

収集した情報をリモートのコンピューターに送信しようとします。

■その他の情報
このトロイの木馬は、インターネットに接続されているかどうかを確認するため、次のサーバーへの接続を試みます。

download.windowsupdate.com
vk.com
yandex.ru


リモートのコンピューターもしくはインターネットからデータや命令を受け取ります。

1つのURLを保持しています。通信にはHTTPプロトコルが使用されます。

次を実行します。

リモートのコンピューターもしくはインターネットからファイルをダウンロードする
実行ファイルを実行する
自身をバージョンアップする
cookieを削除する
OSを起動できないようにする
Webサイトのコンテンツを改ざんする
ネットワークトラフィックをリダイレクトする


次のWindows APIをフックして、入力データやメッセージを横取りします。

CertGetCertificateChain (crypt32.dll)
CertVerifyCertificateChainPolicy (crypt32.dll)
CreateDialogParamW (user32.dll)
CreateFileW (kernel32.dll)
CreateProcessInternalW (kernel32.dll)
CryptEncrypt (advapi32.dll)
getaddrinfo (WS2_32.dll)
GetAddrInfoExW (WS2_32.dll)
GetClipboardData (user32.dll)
gethostbyname (WS2_32.dll)
GetMessageA (user32.dll)
GetMessageW (user32.dll)
HttpSendRequestA (Wininet.dll)
HttpSendRequestExA (Wininet.dll)
HttpSendRequestExW (Wininet.dll)
HttpSendRequestW (Wininet.dll)
InternetCloseHandle (Wininet.dll)
InternetQueryDataAvailable (Wininet.dll)
InternetReadFile (Wininet.dll)
InternetReadFileExA (Wininet.dll)
InternetReadFileExW (Wininet.dll)
InternetSetStatusCallbackA (Wininet.dll)
InternetSetStatusCallbackW (Wininet.dll)
LoadLibraryExW (kernel32.dll)
PFXImportCertStore (crypt32.dll)
PR_Close (nspr4.dll,nss3.dll)
PR_Connect (nspr4.dll,nss3.dll)
PR_Read (nspr4.dll,nss3.dll)
PR_Write (nspr4.dll,nss3.dll)
send (WS2_32.dll)
SendInput (user32.dll)
SSL_AuthCertificateHook (nspr4.dll)
SSL_Write (ssleay32.dll)
TlsGetValue (kernel32.dll)
TranslateMessage (user32.dll)
URLDownloadToCacheFileW (urlmon.dll)
URLDownloadToFileW (urlmon.dll)
WSAsend (WS2_32.dll)
ZwQueryInformationProcess (ntdll.dll)
ZwQuerySystemInformation (ntdll.dll)


32ビットおよび64ビット両方のプログラムのコンポーネントを保持しています。



このページのトップへ

(C)Canon IT Solutions Inc.