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ウイルス情報  
最新ウイルス定義ファイルバージョン : 12381
(2015/10/09 17:02)

最新ウイルス情報 : Win32/Qbot.AY
公開日:2011年10月5日
このウイルスに関する危険度 :■■■□□

定義名称 Win32/Qbot.AY
シグネチャ検査による結果だった場合 Win32/Qbot.AY
別名 Backdoor:Win32/Qakbot.gen!C(Microsoft)、W32.Qakbot(Symantec)
種別 トロイの木馬
アドバンスドヒューリスティック検査による結果だった場合 このオリジナルのトロイを利用した新種、亜種が検出された場合は、「NewHeur_PE」もしくは「Win32/Qbot.AY トロイの木馬の亜種」という名称で警告が出ます。
対応時期 バージョン6445(20110907)以降
影響を受けるプラットフォーム Microsoft Windows
概要 これは、リモートからコントロール可能なバックドア型のトロイの木馬です。詳しい活動内容については、解説欄をご参照ください。

検出した場合の対処方法

常駐監視を行っている各検査プログラムによって検出された場合は、駆除もしくは削除を行ってください。駆除もしくは削除ができない場合は、Windowsのシステムの復元により修復しなければならない可能性があります。

対象のファイルが身に覚えのないファイル名の場合は、そのファイル自身がウイルスそのものである可能性が高いので、駆除ではなくすべて削除をしてください。これにより2次感染、3次感染を防げます。また、自分が作成したデータ等に感染していた場合は、駆除が可能な場合もありますが、駆除のボタンが押せない状態もしくは駆除しても失敗する場合は、すでに元のデータの戻せない状態までデータが書き換えられている場合もあります。この場合もすべて削除してください。

解説での表記(用語)について

以下の説明文では、Windowsオペレーティングシステムがインストールされたディレクトリを%windir%と表記しており、インストール時の設定により異なる場合があります。%windir%のサブディレクトリである"System"や"System32"は%system%と表記しています。
%commonappdata%は、マイドキュメント以下のApplication Dataディレクトリを表記しています。
%drive%には、任意のドライブ名が入ります。
%temp%はWindowsオペレーティングシステムのテンポラリディレクトリを表記しています。
%existingfile(folder)name%は、既存ファイル名称あるいは既存ディレクトリ名称を表記しています。

解説


■侵入(インストレーション)について
このトロイの木馬は、実行時に次のフォルダーを作成します。

%commonappdata%\microsoft\%variable1%\


次のファイルが同じフォルダー内に作成されます。

%variable1%.exe
%variable2%.dll
%variable3%.dll


システムが起動するたびに実行されるよう、次のレジストリーエントリーを登録します。

[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run]
"%variable4%" =
"%commonappdata%\microsoft\%variable1%\%variable1%.exe"


%variable1-4%には可変の文字列が入ります。

ユーザーがマルウェアファイルへのリンクをクリックすると、既存のレジストリーを次のレジストリーに置き換える場合があります。

[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run]


次のプロセスに自身のプログラムコードを挿入して新たなスレッドを作成、実行します。

explorer.exe


■感染について
このトロイの木馬は、次のファイル名を使用して自身のコピーを作成する場合があります。

%drive%\%variable%_Documents.exe
%drive%\%variable%_%existingfile(folder)name%.exe


%variable%には可変の文字列が入ります。

■その他の情報
これは、リモートからコントロール可能なバックドア型のトロイの木馬です。

リモートのコンピューターもしくはインターネットからデータや命令を受け取ります。

複数のURLを保持しています。通信にはHTTPプロトコル、FTPプロトコル、IRCプロトコルが使用されます。

次を実行します。

キー入力内容を記録する
実行ファイルを実行する
実行中のプロセスを停止する
リモートのコンピューターもしくはインターネットからファイルをダウンロードする
ファイルをリモートのコンピューターに送信する
自身をバージョンアップする
収集した情報を送信する
特定のWebサイトへのアクセスを遮断する
Windowsのクリップボードから情報を盗み出す
悪意のあるソフトウェアのサイトに誘導する特定のURLが記載されたHTMLページにiframeタグを挿入する
悪意のあるファイルが繰り返し実行されるようタスクのスケジュールを設定する


次の情報を収集します。

オペレーティングシステムのバージョン
最近アクセスしたURLの一覧
ユーザー名
コンピューター名
ネットワークアダプター情報
cookie
電子証明書
特定のアプリケーション/サービスのログインユーザー名
特定のアプリケーション/サービスのログインパスワード
インストールされているソフトウェアの一覧


名前の中に次の文字列のいずれかが含まれているドメインにアクセスできないようにします。

.eset
agnitum
ahnlab
arcabit
avast
avg
avira
avp
bit9
bitdefender
castlecops
centralcommand
clamav
clearclouddns
comodo
computerassociates
cpsecure
defender
drweb
emsisoft
esafe
etrust
ewido
fortinet
f-prot
f-secure
gdata
grisoft
hacksoft
hauri
ikarus
jotti
k7computing
kaspersky
malware
mcafee
networkassociates
nod32
norman
norton
panda
pctools
prevx
quickheal
rising
rootkit
securecomputing
sophos
spamhaus
spyware
sunbelt
symantec
threatexpert
trendmicro
virus
webroot.
wilderssecurity
windowsupdate


ユーザーが特定のWebサイトを閲覧中に個人情報を収集します。

次のキーワードを監視します。

jpMorgan.com
onlineserv/cm
53.com
citibank.citigroup.com
usbank.com
citizensbankmoneymanagergps.com
ktt.key.com
bankofamerica.com
wachovia.com
capitalonebank.com
firstcitizensonline.com


次のWindows APIをフックして、入力データやメッセージを横取りします。

ZwQuerySystemInformation (ntdll.dll)
GetProcAddress (kernel32.dll)
FindFirstFileA (kernel32.dll)
FindFirstFileW (kernel32.dll)
FindNextFileW (kernel32.dll)
FindNextFileA (kernel32.dll)
RegEnumValueA (advapi32.dll)
RegEnumValueW (advapi32.dll)
GetClipboardData (user32.dll)
CharToOemBuffA (user32.dll)
HttpOpenRequestA (wininet.dll)
HttpOpenRequestW (wininet.dll)
InternetCloseHandle (wininet.dll)
HttpSendRequestA (wininet.dll)
HttpSendRequestW (wininet.dll)
InternetReadFileA (wininet.dll)
InternetReadFileExA (wininet.dll)
InternetQueryDataAvailable (wininet.dll)
InternetCloseHandle (wininet.dll)
connect (ws2_32.dll)
send (ws2_32.dll)
WSASend (ws2_32.dll)
WSAConnect (ws2_32.dll)
DnsQuery_A (Dnsapi.dll)
DnsQuery_W (Dnsapi.dll)
GetTcpTable (Iphlpapi.dll)
AllocateAndGetTcpExTableFromStack (Iphlpapi.dll)


ユーザーがマルウェアファイルへのリンクをクリックすると、既存のレジストリーを次のレジストリーに置き換える場合があります。

[HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run]


次のレジストリーを登録する場合があります。

[HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run]
"%variable4%" =
"%commonappdata%\microsoft\%variable1%\%variable1%.exe"


次のファイルを作成する場合があります。

%temp%\%variable%.zbr


%variable%には可変の文字列が入ります。

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