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ウイルス情報  
最新ウイルス定義ファイルバージョン : 12381
(2015/10/09 17:02)

最新ウイルス情報 : Win32/Boychi.A
公開日:2012年9月5日
このウイルスに関する危険度 :■■■□□

定義名称 Win32/Boychi.A
シグネチャ検査による結果だった場合 Win32/Boychi.A
別名 Win32/Boychi.A(Microsoft)、Trojan.Dropper(Symantec)、Variant.Kazy.81085(BitDefender)
種別 ワーム
アドバンスドヒューリスティック検査による結果だった場合 このオリジナルのトロイを利用した新種、亜種が検出された場合は、「NewHeur_PE」もしくは「Win32/Boychi.A ワームの亜種」という名称で警告が出ます。
対応時期 バージョン7334(20120727)以降
影響を受けるプラットフォーム Microsoft Windows
概要 このワームは、パスワードなどの個人情報を盗み出してリモートのコンピューターに送信しようとします。rootkitによく見られる手法を用いています。詳しい活動内容については、解説欄をご参照ください。

検出した場合の対処方法

常駐監視を行っている各検査プログラムによって検出された場合は、駆除もしくは削除を行ってください。駆除もしくは削除ができない場合は、Windowsのシステムの復元により修復しなければならない可能性があります。

対象のファイルが身に覚えのないファイル名の場合は、そのファイル自身がウイルスそのものである可能性が高いので、駆除ではなくすべて削除をしてください。これにより2次感染、3次感染を防げます。また、自分が作成したデータ等に感染していた場合は、駆除が可能な場合もありますが、駆除のボタンが押せない状態もしくは駆除しても失敗する場合は、すでに元のデータの戻せない状態までデータが書き換えられている場合もあります。この場合もすべて削除してください。

解説での表記(用語)について

以下の説明文では、Windowsオペレーティングシステムがインストールされたディレクトリを%windir%と表記しており、インストール時の設定により異なる場合があります。%windir%のサブディレクトリである"System"や"System32"は%system%と表記しています。
%systemroot%は、オペレーティングシステムがインストールされたディレクトリを表記しています。

解説


■侵入(インストレーション)について
このワームは、実行時に次のファイルを作成します。

%localsettings%\jlc3V7we\IZsROY7X.-MP
%localsettings%\jlc3V7we\t2HBeaM5.OUk
%localsettings%\jlc3V7we\WeP1xpBU.wA-
%localsettings%\jlc3V7we\6EaqyFfo.zIK
%localsettings%\jlc3V7we\eiYNz1gd.Cfp
%localsettings%\jlc3V7we\lUnsA3Ci.Bz7


次のファイルのコピーを作成する場合があります。(コピー元、コピー先)

%system%\pstorec.dll,
%localsettings%\jlc3V7we\hypn4cqI.HSC
%mozillafirefoxrootfolder%\mozcrt19.dll,
%localsettings%\jlc3V7we\mozcrt19.dll
%mozillafirefoxrootfolder%\mozutils.dll,
%localsettings%\jlc3V7we\mozutils.dll
%mozillafirefoxrootfolder%\mozglue.dll,
%localsettings%\jlc3V7we\mozglue.dll
%mozillafirefoxrootfolder%\nspr4.dll,
%localsettings%\jlc3V7we\nspr4.dll
%mozillafirefoxrootfolder%\plds4.dll,
%localsettings%\jlc3V7we\plds4.dll
%mozillafirefoxrootfolder%\plc4.dll,
%localsettings%\jlc3V7we\plc4.dll
%mozillafirefoxrootfolder%\nssutil3.dll,
%localsettings%\jlc3V7we\nssutil3.dll
%mozillafirefoxrootfolder%\sqlite3.dll,
%localsettings%\jlc3V7we\sqlite3.dll
%mozillafirefoxrootfolder%\mozsqlite3.dll,
%localsettings%\jlc3V7we\mozsqlite3.dll
%mozillafirefoxrootfolder%\softokn3.dll,
%localsettings%\jlc3V7we\softokn3.dll
%mozillafirefoxrootfolder%\nss3.dll,
%localsettings%\jlc3V7we\nss3.dll
%mozillafirefoxrootfolder%\freebl3.dll,
%localsettings%\jlc3V7we\freebl3.dll
%mozillafirefoxrootfolder%\nssdbm3.dll,
%localsettings%\jlc3V7we\nssdbm3.dll


次のシステムドライバーをインストールします。

%systemroot%\system32\drivers\ndisk.sys


システムが起動するたびに実行されるよう、次のレジストリーキーを改ざんします。

[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\
Run]
"*J7PugHy" = "%system%\rundll32.exe
"%localsettings%\jlc3V7we\IZsROY7X.-MP",F1dd208"


実行中のすべてのプロセスに自身のプログラムコードを挿入して新たなスレッドを作成、実行します。

■情報の取得
このワームは、すべてのローカルファイルからメールアドレスを収集します。

感染ユーザーの連絡先リストから情報を取得しようとします。

次のアプリケーションに関する情報を収集します。

Microsoft Internet Explorer
Mozilla Firefox
Opera
Google Chrome
Microsoft Outlook
Mozilla Thunderbird
Windows Live Mail
Paltalk
Googletalk
Trillian
Skype


次の情報を収集します。

スクリーンショット
最近アクセスしたURLの一覧
クリップボード内のデータ
メールアドレス
Windows Protected Storageに保存したパスワードなどの個人情報
オペレーティングシステムとシステム設定に関する情報
実行中のプロセスの一覧
特定のアプリケーション/サービスのログインユーザー名
特定のアプリケーション/サービスのログインパスワード


収集した情報をリモートのコンピューターに送信しようとします。1つのIPアドレスを保持しています。

■その他の情報
このワームは、システム上で自身の存在を隠します。

次を実行します。

さまざまなファイルシステム操作を行う
キー入力内容を記録する
Webカメラから動画/音声を盗み出す
スクリーンショットを作成する
IMネットワークを介して感染を広げる
モバイルデバイス(Microsoft Windows CE)、USBドライブ、VMwareシステムに自身のコピーを作成する


次のWindows APIをフックして、入力データやメッセージを横取りします。

CreateProcessA (kernel32.dll)
CreateProcessW (kernel32.dll)
CreateProcessAsUserA (advapi32.dll)
CreateProcessAsUserW (advapi32.dll)
CreateProcessAsUserW (kernel32.dll)
NtQueryDirectoryFile (ntdll.dll)
ReadDirectoryChangesW (kernel32.dll)
NtQuerySystemInformation (ntdll.dll)
NtDeviceIoControlFile (ntdll.dll)
NtEnumerateValueKey (ntdll.dll)
NtQueryKey (ntdll.dll)
SendMessageW (user32.dll)
SetWindowTextW (user32.dll)
CreateWindowExA (user32.dll)
CreateWindowExW (user32.dll)
waveOutWrite (winmm.dll)
waveInAddBuffer (winmm.dll)
SendMessageTimeoutA (user32.dll)
SendMessageTimeoutW (user32.dll)
recv (ws2_32.dll)
send (ws2_32.dll)
WSARecv (ws2_32.dll)
CreateFileW (kernel32.dll)
DeleteFileW (kernel32.dll)
MoveFileW (kernel32.dll)
GetMessageA (user32.dll)
GetMessageW (user32.dll)
PeekMessageA (user32.dll)
PeekMessageW (user32.dll)
ImmGetCompositionStringW (imm32.dll)
ReadConsoleInputA (kernel32.dll)
ReadConsoleInputW (kernel32.dll)
ReadConsoleA (kernel32.dll)
ReadConsoleW (kernel32.dll)
ReadConsoleInputExA (kernel32.dll)
ReadConsoleInputExW (kernel32.dll)
CreateDCW (gdi32.dll)
CreateDCA (gdi32.dll)
DeleteDC (gdi32.dll)
StartDocW (gdi32.dll)
StartDocA (gdi32.dll)
StartPage (gdi32.dll)
EndPage (gdi32.dll)
EndDoc (gdi32.dll)
SetAbortProc (gdi32.dll)
GetDeviceCaps (gdi32.dll)


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