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ウイルス情報  
最新ウイルス定義ファイルバージョン : 12381
(2015/10/09 17:02)

最新ウイルス情報 : Win32/AutoRun.Spy.Banker.M
公開日:2012年7月6日
このウイルスに関する危険度 :■■■□□

定義名称 Win32/AutoRun.Spy.Banker.M
シグネチャ検査による結果だった場合 Win32/AutoRun.Spy.Banker.M
別名 PWS-Zbot.gen.matrojan(McAfee)、Worm:Win32/Cridex.B(Microsoft)、W32.SillyDC(Symantec)
種別 ワーム
アドバンスドヒューリスティック検査による結果だった場合 このオリジナルのトロイを利用した新種、亜種が検出された場合は、「NewHeur_PE」もしくは「Win32/AutoRun.Spy.Banker.M ワームの亜種」という名称で警告が出ます。
対応時期 バージョン6642(20111118)以降
影響を受けるプラットフォーム Microsoft Windows
概要 このワームは、パスワードなどの個人情報を盗み出してリモートのコンピューターに送信しようとします。詳しい活動内容については、解説欄をご参照ください。

検出した場合の対処方法

常駐監視を行っている各検査プログラムによって検出された場合は、駆除もしくは削除を行ってください。駆除もしくは削除ができない場合は、Windowsのシステムの復元により修復しなければならない可能性があります。

対象のファイルが身に覚えのないファイル名の場合は、そのファイル自身がウイルスそのものである可能性が高いので、駆除ではなくすべて削除をしてください。これにより2次感染、3次感染を防げます。また、自分が作成したデータ等に感染していた場合は、駆除が可能な場合もありますが、駆除のボタンが押せない状態もしくは駆除しても失敗する場合は、すでに元のデータの戻せない状態までデータが書き換えられている場合もあります。この場合もすべて削除してください。

解説での表記(用語)について

以下の説明文では、Windowsオペレーティングシステムがインストールされたディレクトリを%windir%と表記しており、インストール時の設定により異なる場合があります。%windir%のサブディレクトリである"System"や"System32"は%system%と表記しています。
%appdata%は、マイドキュメント以下のApplication Dataディレクトリを表記しています。
%temp%はWindowsオペレーティングシステムのテンポラリディレクトリを表記しています。

解説


■侵入(インストレーション)について
このワームは、実行時に自身を次の場所にコピーします。

%appdata%\KB%variable%.exe (229888 B)


システムが起動するたびに実行されるよう、次のレジストリーエントリーを登録します。

[HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run]
"KB%variable%.exe" = "%appdata%\KB%variable%.exe"


次のファイルを作成します。

%temp%\POS%variable1%.tmp.bat


%variable1-2%には可変の文字列が入ります。

このファイルを実行します。

インストール終了後、元の実行ファイルを削除します。

■感染について
このワームは、自身のコピーをリムーバブルドライブに作成する場合があります。

■情報の取得
このワームは、次の情報を収集します。

実行中のプロセスの一覧
コンピューター名
ボリュームシリアルナンバー
電子証明書
特定のアプリケーション/サービスのログインユーザー名
特定のアプリケーション/サービスのログインパスワード


収集された情報は次のファイルに保存されます。

%localappdata%\%variable%\%variable%.dat


%variable%には可変の文字列が入ります。

収集した情報をリモートのコンピューターに送信しようとします。

■その他の情報
このワームは、リモートのコンピューターもしくはインターネットからデータや命令を受け取ります。

4つのURLを保持しています。通信にはHTTPSプロトコルが使用されます。

次を実行します。

ファイルをリモートのコンピューターに送信する
保護されたストレージから情報を取得してリモートのコンピューターに送信する
実行中のプロセスの一覧をリモートのコンピューターに送信する
リモートのコンピューターもしくはインターネットからファイルをダウンロードする
実行ファイルを実行する
ファイルを削除する


実行中のプロセスに自身のプログラムコードを挿入して新たなスレッドを作成、実行する場合があります。

検出されないようにするため、一部のセキュリティソフトウェアの動作に干渉します。

次のシステムドライバーをインストールする場合があります。

%system%\drivers\%variable%.sys


32ビットおよび64ビット両方のプログラムのコンポーネントを保持しています。

次のレジストリーを設定する場合があります。

[HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\%variable%\]
"DisplayName" = ""
"Group" = "Boot Bus Extender"
"ImagePath" = "%system%\drivers\%variable%.sys"
"ErrorControl" = 0
"Start" = 0
"Tag" = 1
"Type" = 1


%variable%には可変の文字列が入ります。

次のWindows APIをフックして、入力データやメッセージを横取りします。

LdrLoadDll (ntdll.dll)
NtResumeThread (ntdll.dll)
closesocket (ws2_32.dll)
connect (ws2_32.dll)
getaddrinfo (ws2_32.dll)
gethostbyname (ws2_32.dll)
recv (ws2_32.dll)
select (ws2_32.dll)
WSARecv (ws2_32.dll)
WSASend (ws2_32.dll)



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