検出した場合の対処方法
常駐監視を行っている各検査プログラムによって検出された場合は、駆除もしくは削除を行ってください。駆除もしくは削除ができない場合は、Windows のシステムの復元により修復しなければならない可能性があります。
対象のファイルが身に覚えのないファイル名の場合は、そのファイル自身がウイルスそのものである可能性が高いので、駆除ではなくすべて削除をしてください。これにより2次感染、3次感染を防げます。また、自分が作成したデータ等に感染していた場合は、駆除が可能な場合もありますが、駆除のボタンが押せない状態もしくは駆除しても失敗する場合は、すでに元のデータの戻せない状態までデータが書き換えられている場合もあります。この場合もすべて削除してください。
解説での表記(用語)について
以下の説明文では、Windowsオペレーティングシステムがインストールされたディレクトリを%windir% と表記しており、インストール時の設定により異なる場合があります。%windir% のサブディレクトリである"System"や"System32"は %system% と表記しています。
%appdata%は、マイドキュメント以下のApplication Dataディレクトリを表記しています。
%startup%は、スタートアップディレクトリを表記しています。
%drive%には、任意のドライブ名が入ります。
%temp%はWindowsオペレーティングシステムのテンポラリディレクトリを表記しています。
解説
■侵入(インストレーション)について
このワームは、実行時に次のファイルを作成します。
%temp%\RarSFX%variable%\autorun.inf (844 B, JS/Victory.A)
%temp%\RarSFX%variable%\message.bat (2529 B, JS/Victory.A)
%temp%\RarSFX%variable%\msexcel.bas (1623 B, JS/Victory.A)
%temp%\RarSFX%variable%\network.bat (506 B, JS/Victory.A)
%temp%\RarSFX%variable%\regedit.bat (73 B, JS/Victory.A)
%temp%\RarSFX%variable%\regedit.reg (758 B, JS/Victory.A)
%temp%\RarSFX%variable%\victory.sys (71190 B, JS/Victory.A)
%temp%\RarSFX%variable%\winword.bas (1523 B, JS/Victory.A)
次のファイルのコピー（コピー元、コピー先）を作成します。
%originalmalwarefilename%, %appdata%\Wicrosoft\Mindows\mplayer.exe
%system%\wscript.exe, %appdata%\Wicrosoft\Mindows\services.exe
%temp%\RarSFX%variable%\autorun.inf, %appdata%\Wicrosoft\Mindows\autorun.inf
%temp%\RarSFX%variable%\message.bat, %appdata%\Wicrosoft\Mindows\message.bat
%temp%\RarSFX%variable%\msexcel.bas, %appdata%\Wicrosoft\Mindows\msexcel.bas
%temp%\RarSFX%variable%\network.bat, %appdata%\Wicrosoft\Mindows\network.bat
%temp%\RarSFX%variable%\regedit.bat, %appdata%\Wicrosoft\Mindows\regedit.bat
%temp%\RarSFX%variable%\regedit.reg, %appdata%\Wicrosoft\Mindows\regedit.reg
%temp%\RarSFX%variable%\victory.sys, %appdata%\Wicrosoft\Mindows\victory.sys
%temp%\RarSFX%variable%\winword.bas, %appdata%\Wicrosoft\Mindows\winword.bas
次のファイル名を使用して自身のコピーを作成する場合があります。
%cdburnarea%\startup.exe
次のファイルのコピー（コピー元、コピー先）を作成します。
%appdata%\Wicrosoft\Mindows\mplayer.exe, %startup%\startup.exe
これにより、システムが起動するたびに実行されるようになります。
次のファイルを作成します。
%appdata%\Wicrosoft\Mindows\victory.dat
%appdata%\Wicrosoft\Mindows\victory.win
次のプロセスを起動します。
%appdata%\Wicrosoft\Mindows\services.exe
次のレジストリーエントリーを登録します。
[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced]
"Hidden" = 2
"SuperHidden" = 1
"ShowSuperHidden" = 0
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\IniFileMapping\Autorun.inf]
"(Default)" = "@SYS:DoesNotExist"
[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\%version%\Word\Security]
"Level" = 1
"AccessVBOM" = 1
[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\%version%\Excel\Security]
"Level" = 1
AccessVBOM" = 1
%variable%には可変の文字列が入ります。
■感染について
このワームは、自身のコピーをリムーバブルドライブまたはリモートドライブに作成する場合があります。
次のファイル名を使用して自身のコピーを作成する場合があります。
%drive%\startup.exe
次のファイルを同じフォルダー内に作成します。
autorun.inf
このAUTORUN.INFファイルには、マルウェアの実行ファイルへのパスが記述されています。
これにより、感染メディアがコンピューターに挿入されるたびにワームが実行されるようになります。
次の拡張子を持つファイルを探します。
.jp
.mp
.fl
.xl
.pp
.md
.rar
.zip
.doc
.rtf
.txt
.wri
.avi
対象のファイルを見つけると、自身のコピーを新たに作成します。
新たに作成されるファイルの名前には、検出されたファイルの名前が利用されます。
ファイルの拡張子は".lnk"になります。
次の拡張子を持つファイルを探します。
.lnk
探し出したファイルの内容を自身のプログラムコードで上書きします。
■ファイルへの感染について
このワームは、特定の種類のファイルに感染する場合があります。
自身のコピーをMicrosoft WordやMicrosoft Excelの文書に挿入します。
その際、次のファイル名を使用します。
%variable%.avi
%variable%は次の文字列のいずれかになります。
sex
hot
xxx
clip
film
video
movie
porno
hardcore
striptease
■その他の情報
このワームは、キーボードやマウスの予期せぬ動作を引き起こす場合があります。
次のメッセージを表示する場合があります。
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